南砺市・市政懇談会

イメージ 1
 
田中市長になってから、毎年恒例になっている市政懇談会が、
今年も2月6日~29日にかけて、市内8箇所で開催されます。
今年はその主な内容が、総合計画後期基本計画(案)と、
協働のまちづくり基本条例(案)となっていましたので、
両方に関わった僕としては気になるので、初日に行きました。

福野庁舎の2階講堂に、150席ほどが用意されていましたが、
定刻にはほぼ満杯の人となり、椅子も増やされていたようです。
僕はやや前方の左端に座って、さて市長がどんな説明をされるか、
また自民クラブの修正案がどんなものか、じっくりと聞きました。
市長の説明は、市長が提出された条例案だけでしたので、
自民クラブの修正案や共産党の意見書は、文書だけでしたが・・・

市長就任以来、3年間に渡って続けられた協働のまちづくりは、
最初の本格的な協働作業の成果として、基本条例になったわけですが、
議会の役割なども定めているため、議会が難色を示しています。
議会最大勢力の自民クラブから、具体的な修正案が提出されており、
この日初めてその案を見ましたが、「協働」そのものが消されている。
なぜ協働の文言がイヤだったのかは、自民党の政策パンフレットに、
「“協働”は偏った社会学的用語」としているからのようなのです。

今回の市政懇談会でも、自民党パンフレットの文言を受け売りで、
この条例は、法政大学の松下圭一教授が作った文と同じではないか!
と言った発言や、議会軽視ではないかとの発言がいくつかありました。
もちろん、この条例文は有志市民会議のメンバーが1から煉ったもので、
どこかで誰かが作ったものの受け売りは、質問者の方でしょうし、
議会の役割を明示することが議会軽視だなんて、時代遅れの感覚です。

たしかに今の日本のあちこちで、市長と議会の対立がありますし、
実情がわからない人が不安に思うのは、ある程度やむを得ないこと。
だからこそ、こうして市長が説明して回っているわけですし、
条例案にも、市長と議会の双方に説明責任を明示してあります。
僕らが市民会議で作った条例案は、市民協働でのまちづくりを、
どのように推進するかの、ルール作りをしたものと言えるのです。
自民党が心配するような、偏った政治思想とは無関係なのです。

それにもかかわらず、“協働”を偏った政治姿勢だとするなら、
今は自民党衆議院議員である橘慶一郎さんが、高岡市長だった時代、
一緒に協働のまちづくりをやってきたのは、いったい何だったのか?
あるいは総務省の多くの施策に、協働による地域問題の解決や、
協働教育推進が謳われているのは、政府が偏向政治をしているというのか?
さらには富山県だって、協働による地域づくりを推進しているのです。

こんな頓珍漢な“協働”に対する批判を柱に、この言葉を全部削除し、
「協働の言葉は認知度がないので削除」と言う説明には呆れます。
今や国政から県政、様々な市政において常識になりつつある協働を、
「認知度がない」とは、あまりにも恥ずかしい認識でしょう。
それでも議会では自民クラブが圧倒的多数なので、この修正案が通れば、
南砺市は取り返しのつかない、恥ずかしい市になってしまうのです。
そんな屈辱を味わわずに済むよう、今は祈るしかありません。

南砺市市議会の自民クラブさん、もう少し大人になって、
市民と協働で、より良い南砺市を作っていきませんか?