今残しておきたいこと!

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9月19日のNHK時論公論で、興味深い放送がありました。
「高齢者の暮らしの知恵を現代(いま)に」と題されたもので、
今のように消費物資に溢れていなかった、戦前の暮らしの知恵から、
将来の循環型社会に必要な、様々な生活の知恵を拝借しようと言うのです。

実はこの日、僕は三島の研修に参加しており、奇しくも同じテーマで、
「北陸トラスト情報センター」を立ち上げる企画を、プラニングしていました。
それは四国高知のOJTに参加したときに、将来の循環型社会のためには、
まだ大量消費文化に浸かっていなかった「自然を活かす」文化で育った、
高齢者の知恵が必要になるから、今の内にストックしておきたい!と言うものです。

僕が住む南砺市でも、循環型社会への転換は重要な課題となっており、
市の総合計画を見ると、その一番に循環型社会への転換が謳われています。
しかしながら、実際にどんなことが行われているかと言えば、この五年間で、
いくらかゴミの減量が進んだことと、来年環境基本法が出来るくらいで、
ようやく残り五年間で、自然エネルギーの利用促進がありそうなくらいです。

これではあまりにもさみしいので、せっかく総合計画策定委員会に応募して、
公募委員に採用されていることでもありますから、一つの提案をしてみました。
それは、将来南砺市を循環型社会にするには、この地の気候風土に合った、
自然を活かした文化の情報を、失われる前に保存する必要があること。
そのために食とエネルギーの循環に加えて、自然循環型文化の保護を訴えました。

何人かの出席者からは賛同をいただきましたが、市の出席職員からは、
今回は10年計画の5年目の見直しでしかないので、大幅な直しはしない。
総合計画として新しい項目を入れるのはなく、来年の環境基本法に盛り込みたい、
との返事でしたので、どのような盛り込み方になるのか、お手並み拝見ですが、
NHK番組の内容からも、今後はこうした観点が大切になると思われます。

番組の中では、大量消費文化によって失われた生活スタイルとして、
「あらゆるものを使い尽くす」「自然のリズムに合わせた暮らし」
「大事なことで繋がる地域」などをキーワードに挙げて、具体例を示します。
例えば昔は隣近所で山を買って、そこで採れる薪や山菜を共有して使ったように、
今なら隣近所で風力発電などを共有して、電気を自給するなどが考えられる。

もっと素朴なところでは、山で採れる山菜や畑の野菜の保存方法など、
冷蔵庫がなくても一年中使えるように、保存方法を持っていたはずなのです。
家の造りだって、密閉するのではなく風通しをよくするのが日本の家の基本だった。
そうした知恵をもう一度活かすことで、エネルギーや食料の消費を押さえ、
地域を自給自立の社会にすることは、難しいことではなくなるのです。