国政課題と代表選挙

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次の内閣総理大臣を決める、民主党の代表選挙が行われます。
すでに立候補者は出揃ったようですが、支持者の違い以外には、
訴えていることの内容に違いがなく、争点もよく見えません。
与野党合わせて、マスコミと一緒になった菅下ろしの後に、
いったい何が問われ、何が変わろうとしているのでしょうか?

日本国が抱えている、現在直近の政治課題は何かと言えば、
(1)東日本大震災の復興をどうするのか?
(2)福島原発事故の責任と復興をどうするのか?
(3)日本の原発と大量の放射性廃棄物をどうするのか?
(4)食とエネルギーの持続可能な社会をどのように構築するのか?
(5)経済優先ではない新しい社会の価値観をどう提示するのか?
(6)沖縄の基地問題をどのように解決するのか?
(7)財政のプライマリーバランスをどう取り戻すのか?

およそこうしたことに、集約されると思うのですが、
民主党代表選挙を見ていると、違いがよくわかりません。
よく見えるのは、相変わらずも小沢派と反小沢派の対立で、
海江田万里経済産業相が、小沢さんを後ろ盾にしているのに対し、
前原誠司前外相が、小沢さんとは迎合しない態度を明確にしている。
この対立構造が浮き立つので、そのほかの3人は影までかすむ。

マスコミを見る限り、立候補者の政治姿勢は大きく違わないし、
この選挙の後に、小沢さんの党員資格が回復されることになれば、
いったい誰のための選挙だったのか、ウンザリするしかありません。
官政権で、せっかく打ち出された脱原発はどうなるのか?
誰一人明確に推進を明言していないように見えるのは、
脱原発を、たいして重要に思っていないからなのでしょうか?
そうであれば、日本の将来を見通せているとは思えません。

経済界に繋がった政界の思惑だけが蠢いて、争点がぼやけ、
誰が代表になろうと、何も期待できない代表選挙になりそうです。
どうしてこんなことになるかと言えば、その前段階として、
議論されていなければならない政治課題が、棚上げされたまま、
集票の力関係だけが、政治を動かしてきた現状があります。
さらにどうして、こんな政治家ばかりしかいないのかと言えば、
市民の政治意識が薄く、利権利益誘導が政治であるかの如く、
政治課題の取り組めない政治家を、育ててきた実績があるのです。

公正な選挙は、民主主義の重要な柱とされていますが、
主役である市民が毎日の生活に追われて、余裕を失っていれば、
政治を食い物にする、せこい人間ばかりが立候補してしまう。
これでは最初から、選挙をする意味さえ疑問を抱かざるを得ない。
それなら、立候補していない人間でも投票して選ぶとか、
何か大胆な発想の転換が、必要なのかも知れません。