「市民の会」対話集会

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南砺市議会が開催されるたびに、市内の複数箇所で開かれている、
「市民の会」会派による、議会報告を兼ねた対話集会ですが、
最近は具体的な課題を取り上げた議論が、活発になってきています。
前回参加したときは、南砺市内の各地で同じ日に行わるイベントについて、
市の調整で、援助の多い少ないや重ならない工夫などの必要性を議論し、
今回は井波高校の跡地利用や、聖徳幼稚園の廃園問題などが議論されました。

すでに井波高校は、今年度末に閉校になることが決まっていながら、
その跡地をどうするかは、一部を市民病院が使うことしか決まっていません。
このままでは、有効利用の道が見えないまま廃校になる可能性が高いので、
井波地域を福祉ゾーンと考える南砺市構想から、障害者施設にするなど、
いくつかの案はあるものの、何もまとまっていない現状がある。
それが議会で取り上げられ、再検討協議会が立ち上げられた模様です。

すでに半年ほどしか猶予がない中で、何が出来るかってこともありますが、
放っておけば、有効利用がされないまま廃校になるのは明らかでしょう。
南砺市全体で見ても、少子高齢化だから学校を減らすといいながら、
学校がなくなることで、若者人口が流出することも確実でしょうから、
ここは何らかの学校施設として、若い人が集まる施設にして欲しい。
そんな切実な思いから、県立大学との綜合契約の話が浮上してきました。

南砺市構想の福祉関連であれ、井波地域の伝統である芸術関係であれ、
県立大学のサテライトとして、産官学の連携を進める拠点として、
井波高校跡地を利用することは、様々なメリットがありそうに思われる。
そのためにまず南砺市と県立大学の、綜合契約を結んで窓口を持ち、
南砺市の施設と県立大学の総合力を、相互に活かそうというものです。
将来の活性化を考えれば、若い学生を集める価値も大きいでしょう。

もう一つ熱心に議論されたのが、聖徳幼稚園の廃園問題でした。
これは80年以上の歴史を持つ幼稚園で、瑞泉寺系の宗教法人が立ち上げ、
途中お寺の騒動によって、学校法人に経営が変わった経緯はありますが、
子育ての内容に、地域伝統の真宗による穏やかな気風があって人気もある。
そんな幼稚園が突然廃園になるとのことで、父兄が動揺しており、
真相を確認して、なんとか継続できないか知恵を出したいというものです。

どちらの問題も、井波地域にとって重大な問題であるばかりでなく、
南砺市全体で見ても、住民参加の民主主義の熟成が問われる懸案事項です。
こうした市民の将来に関わる問題は、誰かに任せきりにするのではなく、
もっと多くの市民が関心を持って、自分たちでどうするかを考える必要がある。
今回の対話集会に参加された人たちは、もともと積極的に参加する人ですが、
まだほとんどの市民は、直接火の粉が降りかかるまで他人事です。

社会の新しい動向として、住民が直接参加する民主主義の流れがあり、
そのために僕らは「協働のまちづくり条例」を作ろうとしているわけですが、
せっかく条例が成立して、市民参加の道を大きく広げたとしても、
当の市民が参加しようとしなければ、何の役にも立たなくなります。
一部の権者から「ほら見たことか、俺たちに任せとけばいい」と言わせない、
住民意識の高まりと、市民が自分のこととして市政に参画する意識が大切です。