ガンバレ、菅さん!

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昨日13日、ついに菅首相は、脱原発の方針を明らかにしました。
原発に依存しない社会を目指すべきだと考え、計画的、段階的に原発依存度を下げる」
との画期的な発言をして、新しい国の方針を示したと言うことです。
東電株主の自民党石破茂政調会長はさっそく反論して、
「(原発を撤廃する)時期を明言しないことに大きな疑念を抱かざるを得ない。
 道のりが示されなければ、単なるポピュリズムにしかならない」
脱原発を批判することに躍起ですが、もうこの流れは止まらないでしょう。

社民党の福島党首は「首相の英断を歓迎したい。政権交代した意味があった」と語り、
共産党市田書記局長も、「(首相の方針)それ自体は前向きのものだ」と肯定的です。
みんなの党の渡辺代表は、「いつものように政権浮揚の思い付きを述べたにすぎない」
と言っていますが、今までの菅さんの発言や行動を見ていれば、
ようやく自分の本音を言えるところに、辿り着いたのではないかと思われます。
公明党の山口代表が言う「首相が続投へ半歩踏み出したのではないかとすら思えてくる」
と言うのも、マスコミ的には受けるでしょうが、結構的外れな捉え方でしょう。

以前に僕はこのブログで、福島原発事故のこの時期に菅さんが首相であることに、
「大きな意味があるように思う」と書きましたが、それは菅さんが、
理学部出身で市民活動をしていた人で、民主党結党の初代党代表でもあるからです。
マスコミ的にはまったく人気のない首相であり、世論調査の支持率も低いけど、
どんな逆境にあっても、簡単には自分の考えを曲げずに道を模索し続ける。
このしぶとさが菅さんの特徴ですから、最初から自然エネルギー推進派だった菅さんが、
石にかじりついてでも、どんなに批判されても「脱原発」を明言したのは、
そうした役目を背負って、この時期に首相だったのだろうと思わずにはいられません。

昨日の記事でも書きましたが、日本学術会議の会長は7月11日の代表選挙で、
それまでずっと科学技術系の人だったものが、比較法社会の専門家に交代しましたが、
これも新しい時代の流れを作る上で、必要な変化だったのだろうと思っています。
大きな社会の変化を捉えるには、必ず新しい視点が必要になってきますが、
科学技術中心で原発を推進してきた学会が、法律の専門家に代表の座を譲り、
政治の中心である内閣総理大臣に、理学部出身の市民活動家がなったのも偶然ではない。
そしてこの時期に、一つの時代を作った一方向テレビが終了するのも必然であって、
大きな時代の流れは、このようにして作られていくのでしょう。

もちろんこの脱原発方針は、電力会社を中心とした大量エネルギー消費社会を、
大きく方向転換させる第一歩に過ぎませんし、経済界は強い抵抗を示すでしょう。
ともかく菅首相を退陣させたい勢力は、再び勢いを増すでしょうが、
すでにマスコミも、原発推進一辺倒の報道は出来なくなっているのです。
この勢いが衰えることなく、新しい流れを確実にしていけば、
現在の閉塞社会を打ち破る新しい可能性も、少しずつ見えてくるでしょう。
すでに若い人たちの活動には、例えば贈与と感謝の社会が蘇りつつあるのです。

国の方針として、明治以来の富国強兵政策はまず軍事による強兵国家から、
やがて敗戦以降は経済による富国国家へと、ひたすら強さを求めてきたのですが、
世界そのものが大きく方向転換する中で、日本は取り残されつつあった。
それが今回の福島原発事故を受けて、ようやく方向転換し始めたと言うことでしょう。
総理たるものの権限をフルに活かして、この国難を逆手に取り、
行き詰まりしかない拡大消費社会ではなく、新しい価値観による国造りを模索する、
そんなことができるのは、頑張れ菅さん!あなたしかいなかったのです。