自然農講座の見学会

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南砺市で行っている自然農講座は、順調に回を重ね、
昨日は、自然農9年目になる田畑の見学会を行いました。
トマトと落花生の混栽培や、サツマイモと枝豆の混栽培など、
手入れの仕方も、小さな虫や生き物の生態系を守るため、
草を残しながらの手入れの仕方などを、現地学習しました。

同じ種類のトマトに、勢いの良いものと悪いものがあり、
勢いの悪いものは、うっかりピーマンの後に植えた連作障害で、
図らずも、悪い見本も見せることも出来ました・・・
ここの田畑は、すでに土がかなり出来上がっているので、
農薬はおろか、ほとんど肥料も使わずに栽培をしていますが、
そのためもあってか、自然環境の変化に大きく影響されています。

今年は冬が長かったせいで、野菜も稲も苗の生育が遅く、
直播きの野菜や稲は、例年よりも成長が遅くなっています。
春が極端に短くなって、すぐに夏になったのも特徴的で、
多くの人が言うとおり、冬と夏が長い変化の激しい気候です。
経済開発優先の結果として、自然環境が壊れたのであれば、
僕らは経済によって、貧しい暮らしを余儀なくされてきたのです。

それでも人は、様々な工夫をしながら作物を作り続けますが、
自然農の見地から見れば、やらなくてもいいことが多い。
農薬など、直接環境を破壊して生態系を崩すものは言うまでもなく、
大型の農業機械なども、どこかでそのしわ寄せがあるはずで、
まして購入費を借金して、返済のために働くなど間違っている。
これなんかも、経済神話に惑わされた心の弱さを示します。

今回は11人の参加者でしたが、見学の後は作業後屋で輪になり、
自然農を通して見る、社会の在り方なども話し合いました。
食とエネルギーは、人が生きていく上で欠かせないものですが、
それを単なる消費者になって、無責任に受け取るのでなく、
自立的に関わって、自分たちの生活を責任が持てるようにしたい。
そうした生き方こそが、原発など間違った選択を防げるから・・・

南砺市の学遊塾で開いている自然農講座は、今年が最後なので、
いろんな思いを込めながら、自分の自然農も振り返ります。
開発という名の自然破壊に疑問を感じ、自分に何が出来るか考えて、
少しずつシフトしてきた生活ですが、3.11は起きてしまいました。
大きな戦争に匹敵するような、何十年にも渡る自然環境の破壊を経て、
人々はようやく間違いに気付き、方向転換を始めようとしている。

この流れを、無責任な政治家やマスコミに止められないよう、
あるいは旧態然とした経済界の利潤追求や、利権擁護に負けず、
これから長く継続させて、将来の日本の価値観として定着させたい。
そんなことを思いながら、残る講座の回数を考えています。
写真で見ているのは、草や虫を敵としない自然農水田の様子です。