「ほんとうのエコカーをつくろう」

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ゼロスポーツ代表取締役の、中島徳至が書かれた本で、
図書館で手に取ったら面白くて、借りて全部読みました。
環境のことを考えれば、将来の車は電気自動車がいいのですが、
その電気が原発に頼るのであれば、電気自動車も未来がない。
だけど彼の発想は、過去の常識的な発想に囚われずに、
車に合わせた社会を作るのではなく、社会に合わせて車を作る!
そうであれば、まったく新しい車社会も可能なはずです。

この会社は、現在大きな実績として、郵便事業会社へ、
集配用EV(電気自動車)を1000台納入が決まっています。
電気自動車では先を行っている大手、三菱や日産を差し置いて、
どうしてこの小さな企業が、集配用EVの納入を決めたのか?
それは今ある自動車と同じ高性能を、求めるのではなく、
用途や目的に合った性能で、無駄のない開発をしたからです。

この本の前半は、いわゆる企業での苦労話とか起業の話で、
会社経営には興味がない僕には、さほど感心はなかったのですが、
電気自動車による、破壊的イノベーションあたりから面白い。
このところ東北関東大地震の被災者は、ゼロからの出発!と言って、
家も会社も仕事道具も、何もなくなってしまった故郷で、
地域を離れず、生活再建する意志を表明する人が出てきました。
僕らは既成の便利さに慣れていると、原点を見失いがちですが、
家族や地域の絆が大切だとわかれば、具体策は無尽にある。

車に合わせたまちづくりではない、まちづくりに合わせた車なら、
高速高性能で走るよりも、静かに低速安全で走る方がいいし、
車いすや自転車で、そのまま乗り降りできる車だって考えられる。
僕らが新しいまちづくりを念頭に作ったNPO「Nプロ」も、
車中心ではない、徒歩と自転車で暮らせるまちづくりを考えて、
これを社会提案することが目的だったから、同じ発想なのです。

僕らは政治を動かすような社会運動として、始めたわけですが、
中島さんのゼロスポーツは、企業による社会活動として、
同じような「ところ」を目指しているのが、共感できたのです。
それは、地域に合った自然エネルギーによる発電と合わせて、
経済産業省の「EV・PHVタウン構想」にも参加すれば、
おらが町の将来に、新しい姿を見据えていく作業にもなる。
この本には、何よりもそんな夢がたっぷり詰まっていたのです。

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