あきれた東京電力のリーダー

昨日は久しぶりに、今年初めての畑作業をしましたし、
地元の子育てグループによる「ほのぼのマルシェ」もあって、
ブログに書きたいことは、いろいろあったのですが、
東京電力の記者会見が、あまりにいい加減で不誠実なので、
今日はそのことを、どうしても書いておこうと思います。

以下、3月26日、千代田区内幸町の東電本店3階で行われた記者会見、最後の部分。
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新聞社の女性記者
「私が聞いたのは『津波が想定外だったかどうか』ではなくて、
 電源が失われる可能性について想定しなかったのはなぜなのか?
 ということをお聞きしたんですが」

武藤副社長
「今回の津波で、所内の電源は地震でもってなくなったわけですが、そのときに、
 ディーゼル発電機はしっかり起動しているわけです。したがいまして、
 地震によっては電源はなくなっていないわけです。が、そのあとの津波発電所
 襲ったところで発電所の電源を喪失しているということで、津波が今回の電源を
 なくした原因だというふうに言えようかと思います」

広報部の吉田部長
「あと、おひとかた」

別の男性記者
「二つ目の質問に答えてない。こういうやり方で議事を進めるのなら、
 ちゃんと質問に答えてください。二つ目の質問に答えてない。
 最悪の事態にどう対処するのかという2つ目の質問に答えていない」

武藤副社長
「電源につきましては、地震の後、確保できていたというふうに思っております。
 津波によって電源を失ったということだと思います」

新聞社の記者
「電源を失った場合を想定しなかったのはなぜなのかと聞いているんです」

武藤副社長
「電源をなくなった場合でも原子炉を冷やすことができるように設計はされています。
 ただ、これは一定の時間、バッテリーを使いながら、原子炉の中の蒸気をもって
 原子炉を冷やすというのが基本的な考え方でありまして、その時間を超えて電源が
 復旧できないような状況になるというのは、今回の津波がすべての電源設備を
 利用できないような状況にしたということがあるわけでありまして。
 ですから津波によって電源が喪失した、というふうに申し上げました」

広報部の吉田部長
「申し訳ありませんが、あと、おひとかたのみ、というようなことでお願いします」

新聞社の女性記者
「まだ答えてないでしょう、最悪の場合」

広報部の吉田部長
「申し訳ありませんが、あと、おひとかた」

別の男性記者
「答えてないじゃないですか、ちゃんと答えてください。
 私も聞きたいです。その回答を」

さらに別の男性記者
「最悪の場合というのはどういうことを想定されているのか」

~数秒の沈黙~

武藤副社長
「外部の電源がなくなった場合に・・・」

記者たち
「電源の話じゃない」

武藤副社長
「電源が確保されているということを前提にして、
 その電源が一時的にまったくなくなった状態で原子炉を冷やすということを想定して、
 原子炉は設計されているということです」

新聞社の女性記者
「今、最悪の場合をどういうふうに想定されているのかというのが私の2番目の質問です」

武藤副社長
「ですから、電源がない状態で原子炉の中に注水をするためにどういった手立てを
 考えておくのかということをアクシデントマネジメントとして手順を定めて準備をして
 きたということでありまして、今回も電源がない中で、まずは自分のとこで持っている
 蒸気でもって原子炉を冷やし、それが利用できなくなったところで外部からポンプを
 つないで原子炉の中に注水するということをやったということでございまして、
 これもアクシデントマネジメントの手順に従って、我々、手順を実施したということだ
 と思っています」

男性記者
「答えになっていない、日本語を分かってない!」

新聞社の女性記者
「最悪の状況をどのように想定いらっしゃるのか」

武藤副社長
「これはともかく現在の状況をできるだけ安定の状況にしなければいけないわけでして、
 原子炉をともかく冷やすということに尽きると思います。そのためには、原子炉の中に
 水を入れ続けるということが大事なわけでして、今は、原子炉への注入を引き続き続け
 ていくことに尽きると思います」

男性の記者
「ちゃんと答えてください」

別の記者
「逃げないできちんと答えたほうが東電さんのためですから」

武藤副社長
「原子炉の状態をともかく安定させるということだと思います」

吉田部長
「予定の時間が参りましたので、本日はこれにて終了させていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました」

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~午後6時40分、記者会見打ち切り~

これが、日本のトップ企業、東京電力のリーダーの見識と対応です。
企業利益の必要に応じて、日本語もわからないくらいでないと、
こうした企業は成り立たないのでしょう。
いったいいつまで、こうした企業倫理に日本を任せるのでしょうか?

さらに言えば、テレビを中心にした多くのマスコミが報道する記者会見で、
こうした紛糾する場面を見せないのは、いったいどうしてなのでしょうか?
こうした場面にこそ、僕らが本当に知りたいことと、
東電が隠したいことの本質が潜んでいると思うのですが・・・
 
最悪の事態は想定外だから考えなくていい!だなんて、
この国のエネルギー行政は、人間的な感覚が麻痺しています。