女性と政治

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3月8日の国際女性デーに合わせて、
NPO「Nプロ」が「女性と政治」をテーマに楽集会を開催したので、
僕も「シャキット」の政治参画Pメンバーとして参加しました。
今回はゲストに野入美津恵さんをお迎えして、話をしていただき、
そのあと参加者で、リレートークをする進行でした。

野入さんは、富山型ディサービスとして知られる、
「おらとこ」を始められた方として、福祉関係では有名ですが、
1995年から大山町議会議員に当選して、2期勤められています。
男中心の政治社会で、2期の議員活動を熱心にされたあと、
古い政治体質を変えるには、首長にならないと出来ない!
と考えて町長選挙に出馬するのですが、こちらは大差で落選。

いくら熱心に活動しても、有権者が投票するのは自分ではなく、
何をやっているのかわからないような、政治屋でしかない。
そのことを一番わかってくれたのが、母親だったこともあってか、
家族の大切さをあらためて思い、福祉活動に入られたのかも知れません。
その活動によって、小規模多機能ホームおらとこが開かれ、
准看護士試験にも合格されて現在に至っている、パワフルな人です。

お話の中で一番印象的だったのは、女性では地元の支持が得られず、
応援に来てくれたのは、いつも余所からの人たちだったこと。
8年間の議員活動を一生懸命に勤めたのに、理解されることなく、
町長選での得票の少なさに、力が抜ける思いだったとのお話です。
政策論争ではなく、「女のくせに」と言う理由で投票してもらえない、
しかもそれが女性から投票してもらえないことの虚しさです。

今回のリレートークでは、野入さんのような経験者以外に、
これから議員に立候補を考えている女性が、二人参加しておられ、
さらには、旦那さんの方が立候補を予定されている人もおられました。
この人たちに共通した悩みとして、女性が政治に関わると、
政策ではなく、良くも悪くも家族の評判ばかりが話題になる。
なぜか突然、旧態然とした良妻賢母を求められるようなのです。

僕自身、これからの日本の政治には女性の感覚が大切だと思い、
女性の政治参画を促す活動には、積極的に関わってきたのですが、
富山県内のほとんどの有権者は、そうは思っていないようなのです。
ある人は、日本では女性議員が多い地域ほど改革が進んでいる!
と紹介しておられましたが、それは事実なのだろうし、
有権者の半分が女性でも女性議員が少ないのは、女性の頭の固さでしょう。

男性の硬直した考え方や価値観が、政治社会を行き詰まらせ、
人々の暮らしに閉塞感をもたらしている、と考えていたのですが、
この硬直した思考は、男性ばかりか女性もそうだったと言うことです。
口先では何でも言えますが、すべて他人事で自分は何もしない、
人を批判することばかり上手で、自分では何もしない人たちが増え、
ずでに挫折している男権中心社会を、変革することも出来ないのです。

僕がシャキットの活動に関わるようになって、もう5年になりますが、
気がつけばこの活動は、単に女性の問題に関わっていると言うより、
何でも他人事にしている、口先人間との闘いだったのかも知れません。
野入さんも、新たな立候補者や立候補者夫人も、政策以前に、
こうした似非教養人との闘いを、する必要があるのかも知れなくて、
それが日本社会の閉塞状況を、作っているのかも知れないのです。