おひな様
僕が子どもの頃には、5段飾りがあたりまえで、
6段7段の豪華な雛飾りも、たくさんありました。
我が家にも、姉のために雛壇が飾られて、
幼かった僕は、眩しい思いで眺めていました。
その感覚は、黒澤明の「夢」に表現されていて、
映画の表現力に、あらためて驚かされたものです。
時代が変わっても、雛人形はありますが、
マネーだけ増えて世知辛くなった、今の時代に、
個人で5段の雛飾りをする人も希でしょう。
その代わりというか、一つの傾向として、
おカネで買って、飾るだけではない、
手作りものが、人気になっているようです。
昔もおカネはご不浄の代名詞でしたが、
今も心を込めるには、手作業が必要です。
一つ違うのは、昔はおカネがないから、
買えないから手作りするしかなかったものが、
今は心を込めるために、手作りが見直されている。
心根は変わらずに、時代が進んでいることを、
そんな事からも、うかがい知れます。