協働で、まちがもっと好きになる

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NPO「Nプロ」が富山県と共催企画している、シビックプライドセミナー、
今回は南砺市で、「協働で、まちがもっと好きになる」をやりました。
東京から来たファシリテーターと現地スタッフで、事前打合せをした結果、
今回の実質的なテーマは、具体的な場作りであるとの確認をした上で、
イベントが終われば、それですべてが終わってしまうのではなく、
これが次のステップへの、スタートになるように纏めることを目指す。

スタッフは9時半に集合して、会場のテーブルを6つの島に設営し、
部屋の一角には料理を並べるコーナーを設けて、立食ランチも準備します。
また駐車場の案内や整理もあるので、僕はそちらを受け持って立ちん坊、
途中で他の人と交代して、開始ギリギリまで準備と受付に追われます。
11時半の開始時刻には、都合で遅れた二人を除く50名余りの全員が集合。
活気ある雰囲気の中で、ほぼ予定通りにセミナーがスタートしました。

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  主催者側の挨拶の後は、中西紹一ファシリテーターから全体の説明があり、
  ほぼ4時間のスケジュールが、交流ランチ会から始まりました。

立食とは言っても、地元の食材を使っていつも美味しい「わらび庵」に依託し、
美味しい手料理が10品近く並んだので、食べ応えは十分にありました。
毎度のことですが、美味しいものは食べるのに夢中になって写真が撮れません。
と言うわけで料理の写真はないのですが、おかげで美味しい牛筋の煮込みや、
いかとキュウリの芥子和え、五目炊き込みご飯などを堪能させていただきました。
この間に6人の東京組テーブルファシリテーターが、参加者の関心事を聞き出し、
壁に貼りだして、本格的に議論するときのテーマ抽出の準備をします。

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  ランチが終わる頃には、様々なテーマが出されて意見交換も活発になり、
  中西さんはそれを基に6つのテーマを決めて、参加者はそれを基に、
  自分がどのテーマに参加するかを決めて、各テーブルに別れます。

ここから各テーブルでは、それぞれの議論が活発に始まったのですが、
少し議論が進んだところで中断があり、中西さんから一つの共通ヒントとして、
サード・プレイスの概念が説明されて、これを参考にしながら議論を再開です。
ここで言うサード・プレイスとは、ファースト・プレイスが家族と暮らす家庭で、
セカンド・プレイスが社員と過ごす会社組織、と考えた場合に出てくる概念で、
家庭でもない職場でもない、第三の場所として重要視されるものです。
この第三の場所の特徴は、人が自由に入れ替わって話ができることであり、
安価な茶菓や、近隣性、自由に会話ができる場であることがポイントです。

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  僕が参加したテーブルのテーマは、伝統文化を課題にした場作りで、
  同じ課題に関心を持つ人が集まったわけですから、議論は活発でした。

井波彫刻のような貴重な伝統文化を、どのように外へアピールして産業にするか?
世界遺産としての合掌造りを、どうすれば多くの人に関心を持ってもらえるか?
小さなグループ活動として行われている文化の萌芽を、どう育てられるのか?
そもそも伝統文化は必ずしも目立つものではなく、里山の暮らしの中にあって、
例えば山菜の保存方法や料理の仕方だって、貴重な伝統文化であること・・・
と多くのことが、それぞれの地域や人にとって重要度が違ってくることがわかる。
そのすべてを守り続けることは不可能だし、大切なのは未来に活かせる伝統だから、
なにを伝えて何を切り捨てるのかを、みんなで考えて合意する必要があるだろう。

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  議論は尽きませんでしたが、かなり見えてきたこともあって、
  各グループから代表が出て、議論した内容の発表がありました。

ここまでのやり方は、多くのセミナーでも良く見受けられることですが、
今回僕らのセミナーでは、さらに一歩先へ進むための試みが行われました。
中西さんと東京からの6人は、もともと市場調査やCM制作のプロたちなので、
そこに地元代表の僕が加わった8人で、具体的な企画会議をやって見せたのです。
市民活動のやり方では、結論が出せないまま終わることは多いのですが、
企業の企画会議では、具体的な成果を出して次に進める成果が求められます。
この成果の出し方を、全員に見てもらって今後の参考にするものでした。

こうして行われた模擬企画会議で、コラボ場作りの案が企画としてまとまり、
賛同してくれた仲間で、次のミーティングをすることまで決めることができました。
できれば次回の日程まで決めれば良かったのですが、すでに時間がオーバーで、
僕の方で賛同者12名の名簿を作り、次回の案内を出すことでタイムアップです。
また一つやることが増えてしまいましたが、この企画は「なんと結カフェ」と連動し、
なるべく若い人たちに動いてもらって、僕は相談役に留まりたいと思っています。
このあと僕は町内の新年会が控えていたので、少し早めに家路につきました。