越前市への視察研修会

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南砺市協働のまちづくり条例、策定委員会と市民会議による、
先進地視察研修として、越前市自治基本条例を学びに行きました。
越前市は、合併前の武生市時代だった7年前に条例を作り、
翌年に今立町との合併を経て、地域自治振興に取り組んでいる。
その経験とノウハウ、地域づくりの実際をうかがって、
これから南砺市での条例作成に、活かしたいと言うことです。

朝8時に福光庁舎から出発して、越前市に着いてすぐに研修で、
越前市福祉健康センター会議室で、まず基礎説明をうかがいました。
先進事例なので、その後の7年間には合併や税収減の変化もありますし、
どの程度の内容まで条例に盛り込むのか、南砺市との違いもある。
例えば南砺市の場合は、最初から「協働のまちづくり」を目指すので、
条例の内容も、その方向性を示すものでなければならないわけです。
あるいはすでに地縁組織の重要性がわかっているので、その位置づけを、
条例の中に明記する方向で、検討しているような違いもあります。

こうした様々な違いにもかかわらず、越前市に学ぶことが多いのは、
南砺市では総合計画に明記されながら、いまだ手つかずの環境基本条例が、
平成8年には制定されているし、情報公開条例もすでにできているので、
条例制定後にどのような問題が起きているかを、聞くことができるからです。
特に今回は、自治基本条例ほか条例の位置づけについて多くのことを学び、
条例だけでは動かないナマの現実も、学ばせていただくことができました。
たとえば協働事業の場合は、議会だけで勝手に予算を可決したとしても、
自治振興会が断れば、実効性はなくなってしまうこともあるわけです。

この従来から地域の発展に寄与してきた、自治会などの旧来組織を、
新しい条例でどのように位置づけて、まちづくりに組み込んでいくのかは、
南砺市協働のまちづくりでは、もっとも重要な鍵になるかも知れません。
越前市ではそこのところを、市民自治推進会議などで検討したり、
地域自治振興条例などで定めたりしていますが、思惑通りにはいかず、
地域に関わることを決める場合は、事前の根回しも必要なようです。
また行政との協働においては、調整役のコーディネーターが必要だとして、
パートナーテーブルといったシステムを、用意されているようです。

このコーディネーターの必要性は、僕らの検討会でも出ていたので、
これから何らかの形で、条例に明記することを検討してみたいと思います。
できれば地縁組織の位置づけも、なるべくシンプルに整理して明記し、
旧来のシステムを活かしながらも、新しい体系に再整理したいと思うのです。
たぶんいろいろと戸惑いや抵抗はあるでしょうが、せっかくのチャンスに、
可能な限りに手を打っておくのは、将来に向けて大切なことでしょう。
せっかく市民参加で作る条例ですから、少しでも民意が活かされるよう、
全体をバランス良く、統合的に機能するまちづくり条例にしたいものです。

最後に、24時間自由に使える市民活動交流室を見せていただき、
お昼過ぎには視察を終えて、大きな観光そば屋のようなレストランで昼食。
みなさん食欲も旺盛で、おみやげも買って本日の研修は終わりです。
こうしてみると、研修参加者は年金暮らしで豊かな人が多かったようで、
僕は南砺市の貧乏人の、代表のようなものかもしれない気がしました。
さらに言えば、公募の市民会議でも応募さえできない人だって多いはずで、
将来をどんな社会にするのかは、慎重に考える必要があるでしょう。