「数字でわかる お江戸のくらし」

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循環型社会としては、実に巧く機能していたのではないか?
と思われる江戸時代の文化ですが、実情はなかなかわからない。
一ヶ月ほど前には「現代に活かす江戸時代の文化・風俗」講座で、
大奥の話ばかり聞かされて帰ったことは、記事にも書いたとおり、
江戸時代とはどんな時代だったのか、さっぱりわかりませんでした。

ところが今回読んだ「数字でわかる お江戸のくらし」は、
町民の生活から武家将軍家の生活に至るまで、様々なことを網羅して、
それぞれ1~2ページに纏められて、なんとも興味深い本でした。

・月一で回収にくる糞尿は買いとり制?
・170円でゴミ収集の ゴミ専門業者
・町民の服装 庶民の着物は3~5枚
・上物でも3000円 下駄は気軽に履ける庶民の味方
・義務教育でもないのに1500あった寺子屋
・癒しに一番 お江戸のペット事情
・食事事情 中心部の店の8割が外食店
・コンビニ並の江戸の蕎麦屋は約3800店
・二度三度着こなす 江戸の古着屋稼業
・江戸にもあった大人気の均一ショップ
・棒一本で商売を始めた棒手振
・江戸庶民の憩いの場 2階建ての銭湯

第1部の町人の生活模様だけで、こんな感じで45の話題があり、
第2部の武家の性勝代風景には38の話題、その他に、
第3部では、江戸という町と文化・風俗についても書いてある。
つまりこれ一冊を読めば、江戸時代のことがだいたいわかるので、
さらに詳しく知りたければ、それなりの本に向かえばいいでしょう。

最初に紹介したとおり、一つの内容を長々と書かないのですが、
それでも数字の裏付けや、現代との比較があるのでわかりやすい。
さらに特筆すべきは、よくぞこれだけ集めたと思われる貴重な絵画が、
ふんだんに盛り込まれているので、眺めるだけでも楽しいのです。
18世紀には、世界最大の都市だったといわれる江戸の様子が、
これ一冊でおよそのことが全部わかるのですから、凄いものです。

この博学ぶりは、どんな人かと思って著者を見てみましたら、
さすがに個人の著作ではなく、何人もの人が記事を書いて、
東京大学史料編纂所教授の山本博文さんが監修されていました。
江戸時代のことで何か知りたくなったら、この本さえあれば、
たいがいのことは解説できる、江戸百科事典のようなものですね。
 

山本博文 監修の「数字でわかる お江戸のくらし」は、↓こちらから。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4862550649?ie=UTF8&tag=isobehon-22