銀杏と伽羅木の里

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奈良・平安の時代から古文書にも出てくる、
今は南砺市の一部となった、この辺りの山里には、
僕の知らない、歴史由緒の深い場所が多くあります。
今回訪ねたのは、そんな歴史深い土山地域で、
蓮如上人が植えた伽羅木が、今も根付いており、
当時隆盛を極めた、寺跡があるとも聞いています。

訪ねて行ってみると、蓮如上人の銅像があり、
ちょうどこの日は、周囲の伽羅木に雪囲いをして、
集落総出で、冬の準備をしているところでした。
小雨の降る寒い日でしたので、ご苦労様なことですが、
僕は手伝わずに、近くの展望台の場所を確認して、
周囲を少し回って、そのまま別の用事に向かいました。

一帯には千本を超える銀杏の木が植えられている、
と聞いていますので、それも楽しみだったのですが、
雨では足場が悪く、これは日を改めることにしました。
それでも写真の通り、近くにも立派な銀杏があって、
周囲はかなり広く、色づいた葉が積もっていますから、
これが何十本もあるだけで、きっと見事な景色でしょう。

古くからこのあたりは、砺波平野と加賀を結ぶ要所で、
蓮如上人がここに滞在して、布教活動をしたのも、
泉鏡花が作品のヒントを得たのも、わかる気がします。
さらに現在では、山深くて難所だった道路が、
大きな橋などで改修されて、通りやすくなって、
来年は、金沢大学方面との交通要所になるはずです。

今まであまりにも不便な土地だった、土山でも、
地域の伝統や山里の魅力を再確認する人が出てきて、
自治会の人たちが、地力で展望台まで完成させました。
晴れるとこの展望台からは、周辺の山並みの向こうに、
日本海金沢市内の高層建築まで、見えるようです。
次回は晴れた日に来て、写真も撮って紹介しましょう。

南砺市には、世界遺産の合掌造りや散居村など、
すでに多くの観光資源はあるのですが、さらに多く、
古い歴史文化と、新しい時代の文化を繋いでみたい。
そうしたダイナミズムのあるのが、砺波文化の特長で、
これからも新しいものが産み出される素地がある。
まさに「懐かしい未来」を創出できる土地柄なのです!