新しいミニダップ(籾摺り機)

イメージ 1
 
米作りは苗床作りから精米まで、八十八の作業があると言いますが、
自然農はなるべき自然に近しい農を考えるので、そのほとんどの作業を、
外部エネルギーの機械に頼らず、人間の手足を使った労働で賄います。
それは単に作物の健康を考えるだけでなく、人間の在り方として、
有限資源の外部エネルギーに、頼りすぎることを戒めるためでもある。
したがって「なるべく」地力と自力を旨として、余計なことはしませんが、
どうしても人力では難しいのが、米作りの最後の行程である籾摺りです。

その他の行程作業は、今のところすべて外部エネルギーを使わないで、
脱穀などは足踏み脱穀機ですし、トウミも手回しのものを使っていますが、
この籾摺り作業だけは、電動の籾摺り機を使わないとうまく行かない。
電気のないときは、ひき臼やすり鉢をを使っていたとも聞きますが、
試しにやってみてもそううまく行かないし、仕上がり状態も良くない。
水車小屋でもあれば、水力でひき臼を回す方法も考えられるでしょうが、
僕らの小規模な自然農では、そんな大規模なことは出来そうにもない。

そこで自然農を始めた当初は、どこか籾摺り機のあるところにお願いし、
籾摺り作業だけは、余所でやっていたのですが、これがまた難しい。
なにしろ僕らは小規模挑戦者の集まりなので、それぞれ量が少ないし、
しかも様々な古代米を作っているので、種類も状態もバラバラなのです。
専門農家の籾摺り機は大きくて、わずかな量を処理しては止めていると、
その入れ替え作業ばかりに手間取って、やたら無駄の多い作業になります。
これでは知り合いの農家と言えども、最後には断られてしまうのです。

そこで次に取った手段は、小型の籾摺り機であるミニダップを借りて、
各自で籾摺り作業をしたのですが、これで何とか巧くできるようになる。
そのまま何年か、借り物ミニダップで籾摺り作業をしてきたのですが、
今年はついに、仲間でおカネを出し合って自前のマシンを持つことにした。
写真に写っているのが、今年ようやく自前で持てたミニダップです。
今までは秋の収穫期にだけ、借りて小屋に置いていたものですが、
これからは年間を通して使える代わりに、管理もしなくてはならない。

豊かな砺波平野の一角に、水も自由に使える水田を借りられたことや、
地主の人が次第に自然農を理解することで、自分も始められたこと、
あるいは初期に大勢の人が集まって、作業小屋を建てておいたことなど、
今思えば綱渡り的ラッキーもあり、気持ち良い自然農園となりました。
もちろんこのラッキーには、様々な人の努力があったわけですから、
みんなの自然農に対する思いを大切にして、これからも続けていきたい。
共同購入の新しいミニダップを使い始めて、そんなことを考えました。