今年最後の自然農実習日

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昨日は、今年最後の自然農実習日でもありました。
911事件の翌年から、石黒さんの指導を受けているので、
これで9年間、自然農に関わってきたことになります。
その間には、日本でも戦争に向かおうとする歩みもありましたが、
様々な平和活動や市民活動によって、そうした動きは止まり、
今では多くの人が、新しい価値観の社会を模索するようになりました。

実はこうした脱産業社会、脱拡大経済への方向転換は、
すでに70年代には、一部の学者が提唱し始めていたのですが、
経済成長が著しかった日本では、省みられることはありませんでした。
それでも世界的には、北欧やドイツなどから新しい思想が生まれ、
90年代には、一時大きな世界的うねりにまでなっています。
アメリカでさえ、マネー金融に対する疑問が渦巻くようになっていた。
それが911事件の社会扇動によって、一気に挫けてしまっていく。

それでも多くの国々で始まった、市民主体の変化は止まらず、
情報化社会にも後押しされて、価値観の変化は急速に広がりました。
例えばスローライフや、脱原発、循環型社会への方向転換など、
この数年で見えてきたのが、新しい社会の具体的な姿です。
無限の競争による破壊的拡大経済から、持続可能な共生社会へ、
世界の動向は、すでに大きく方向転換の舵を切っているのです。
僕らはそうした動きを、生き方としての自然農で確認しているのです。

次々に問題を起こしては、モグラ叩きをするのではなく、
問題を起こさない暮らしを求めて、具体的な生き方を手探りする。
その結果、僕らは自然農の中に大きな可能性を見つけているのですが、
これは決して単なる農法でないことは、何度もお話ししている通りです。
人間とは何か、人生とは何か、と考えながら過ごしてきた中で、
人間の営みを自然界の循環の中に位置づけ、この環境を壊さないで、
後世に安心安全な社会を持続できるようにする、具体的な手法なのです。
若い人たちを中心に、関心を持つ人が増えたことが嬉しいですね。

今年最後の実習日は、主に来年春の収穫に向けた冬越しの準備で、
エンドウ豆類や、春の菜花、チシャなどの葉物を今から植えておきます。
もちろん今年最後の収穫も大切で、本来は秋の収穫で冬越しをする。
僕のような中途半端な収穫では、冬越しの食物を全部は用意できないので、
何らかの現金収入を得て、食物を購入しながら過ごす季節になる。
市民活動をいくらやっても、支出ばかりで収入はほとんど無いから、
この先いつまで続くか、今まで続いていることが奇跡かも・・・