最近のドキュメンタリー映画

イメージ 1新聞やテレビばかりを見ていると馬鹿になる。
そう思う人でも、それでは何を見れば真実がわかるのか、
なかなか難しいのが、情報過多の現代社会でしょう。
インターネットの情報は、無責任なものが多いし、
結局はマスコミの力を借りないと、情報を精査できない。
そう思い込んでいる人に、やっぱりお勧めしたいのが、
最近優れた作品が増えてきた、ドキュメンタリー映画です。

年に一度の東京平和映画祭では、平和関連に特化して、
ドキュメンタリーもドラマも混ざった状態で、上映されます。
それとは別に、ドキュメンタリーを扱った映画祭は増えており、
あるいは先日東京であった、フィンランド映画祭では、
ドキュメンタリーのような、それでいてドラマのような、
「危険なレシピ」が上映されて、好評だったと聞いています。
この作品は、脱炭素社会を目指してオイルフリーの生活を求め、
家族が一年間、オイルを使わない生活に挑戦するものです。
http://eiga.ne.jp/finland-film-festival/film.html

こうした隠れた名作や、興味深い作品を見る機会は、
現代でも少ないし、まして田舎暮らしでは滅多にありません。
ところが今回、興味深い企画がウエブ上で公開されました。
劇場公開もタイアップした「松嶋×町山の未公開映画祭」と言って、
よくぞこれだけ集めたと思う、興味深い未公開の映画が並んでいます。
詳細は公式サイト(↓)を見ていただければいいのですが、
http://www.webdice.jp/realmikoukai/
その中から、僕なりに見てみたい作品を紹介します。

写真の上から順番に、
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
★「カシム・ザ・ドリーム ~チャンピオンになった少年兵~」
 6歳の時に誘拐されて虐殺の訓練を受けたウガンダの少年兵が、
 アメリカに渡ってIBFジュニア・ミドル級チャンピオンのカシムの話。
 
★「ジーザス・キャンプ ~アメリカを動かすキリスト教原理主義~」
 アメリカ人の多くは、人類を進化論よりも神が生みだしたものと信じ、
 この原理主義にしたがって、多くの政策が決まるのはなぜか?
 
★「ウォルマート ~世界最大のスーパー、その闇~」
 世界的巨大企業であるウォルマートが、自らの利益のために、
 どれほど世界に害悪をまき散らしているかを、取材しています。
 
★「クルード ~アマゾンの原油流出パニック~」
 石油メジャー・シェブロンによる世界最大級の環境汚染とは何か?
 エクアドル原油流出事件の真相を探るドキュメンタリー。

★「ビーイング・ボーン ~驚異のアメリカ出産ビジネス~」
 完全にビジネス化したアメリカの病院や医療で、出産の事情を取材、
 命がビジネスの材料でしかなくなることに、警鐘を鳴らします。

★「金正日花/キムジョンギリア」
 情報が少ない北朝鮮の様子を、プロパガンダ映画の記録映像や、
 日々の生活を描いたオリジナル映像などで紹介していく。

★「アウトフォックス ~イラク戦争を導いたプロパガンダTV~」
 フォックスニュースチャンネルと、その創設者ロバート・マードックが、
 いかにしてアメリカの民意を戦争に導いたかを描いています。

★「フロウ ~水が大企業に独占される!~」
 日本では当たり前の水が、世界の各地で奪い合われている状況を取材し、
 経済利益に走る狂気の現代を、象徴的に浮き彫りにする。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

幸いこれらの作品のいくつかは、富山でも上映されるので、
今から見に行ける時を、心待ちに期待しています。
ただ、これらの多くは深い悲しみを表すものでしょうから、
多くの人がこれを見て、現代社会の現実を知ることから、
自らの生き方を考える、きっかけになってくれればいいと思います。
脱産業社会、脱拡大金融社会のあと、どんな社会になるのかは、
僕らがどんな社会を望むかに掛かっているのですから・・・