救出作戦「プランB」

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チリのサンホセ鉱山で起きた落盤事故で、42人が生き埋めになり、
その救出作戦が、世界中のマスメディア報道を沸かせています。
8月5日に事故が起きたあと、直径8㎝の穴を開けて生存を確認し、
さらに30㎝ほどの穴を開けて、食料などの物資を送り込み、
そして今回が、人間が通れる穴を開けての救出作戦となります。

生存者が避難している場所は、地下700mの深さにあって、
当初はこの救出には、3ヶ月以上掛かると見込まれていました。
それが多くの人の注目が集まることで、救出作業は急ピッチで進み、
いよいよ日本時間の今日の正午から、救出が始まるとの報道です。
臨時に作られた、家族や工事関係者らのテント村付近には、
すでに1000人を超える報道関係者も集まっていると言われます。

世界一の銅生産量を誇るチリですが、その労働条件は厳しいようで、
このサンホセ銅山も、退避路のない一本道鉱山だったと言います。
坑道の強化にも失敗し、緊急脱出口も換気用の煙突もないことから、
この鉱山は労働監督局によって、2007年に閉山が決定されている。
それなのになぜか2009年に、改善措置もないままに再開され、
この措置に対し、監督官による責任のなすりあいも起きているようです。

利益追求による、こうしたお粗末な事態は世界中にあるのでしょうが、
今回はそれが劇的な救出劇の演出によって、どこかへ吹っ飛んだか、
ヒートアップする報道のほとんどは、救出劇の喜びに満ちたものです。
それにしてもこの巨大な掘削機や、700mの救出に耐えるリフトなど、
現在の土木技術の粋を集めたマシン群を見ていると、いかにも心強く、
殺戮や破壊活動しかできない武器に比べ、有難くて頼もしいです。

いつも思うことですが、殺戮と破壊活動しか出来ない軍備をもって、
米軍の片棒を担いで海外へ出掛けていくより、こうした事態に対応する、
国際救助部隊でも編成して派遣すれば、どれだけましな国際貢献になるか!
防衛省などは環境省と統合して、環境防衛省にして環境を守らせれば、
無用で膨大な予算は、忽ち子どもたちの未来を護るものになるでしょう。
そんなことを考えながら、今日の救出劇を見守りたいと思っています。