人災としての猛暑

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気象庁の発表によると、1898年の統計開始以来、
113年間で最も厳しい暑さとなった、今年の8月ですが、
その原因について、専門家やマスメディアは相変わらず、
エルニーニョ現象だとか、偏西風の蛇行だとしか言いません。
その大元の原因は、人間の過剰な経済活動ではないのか?
エネルギー消費を減らし、CO2を減らし、経済活動を減らせば、
この馬鹿げた人災は、確実に減らせるのではないのか?

すでに高齢者を中心に、熱中症による死者も数多くなり、
家畜被害も膨れあがって、農作物の生長にも異常が増えて、
経済的な損失も、どのくらいになるか予想も付かないとか・・・
ひたすら経済成長を目指し、大量のエネルギーを消費して、
その結果で、経済的損失ばかりか多くの命を死に追いやっている。
いい加減反省して、方向転換しても良さそうなものなのに、
相変わらず経済成長を目指す政府、財界、マスコミにうんざりです。

すでに日本や欧米の、先進国と呼ばれる大量消費国の生活は、
世界中の人が真似ると、地球が成り立たないほど環境破壊するので、
もう未来への「目指すもの」ではなくなっているのです。
そこで、どのような新しい指針を持つかが世界の課題なのに、
日本とそのご主人様のアメリカは、相変わらず経済成長を目指す。
アメリカはその分、世界中で戦争を仕掛けて人口を減らすし、
日本は自主的に人工を減らして、帳尻を合わせているのか?

すでに北欧の環境保護政策や、南米のコチャバンバ合意など、
世界では多くの国々が、環境破壊型の経済成長からの脱皮を目指し、
持続型自然エネルギーの利用や、ヤニス計画などが動き出しています。
こうした危機感溢れる世界の動きに対して、日本はなぜか脳天気で、
有限資源を浪費して、膨大な熱を排出する原子力産業を奨励さえする。
マスメディアが届ける政治家の議論と言えば、旧態然として、
官僚主導でも政治家主導でも、経済振興ばかりです。

鍋のカエルは、徐々に熱くなると煮られていることに気付かない!
との皮肉は、すでに現実になりつつあるのに、マスコミは何も言わない。
なぜ、この過剰な経済活動をやめて、少量生産・少量消費による、
循環共生型社会への転換が必要であることを、認めないのか?
すでに目前まで、危険なトラックが走ってきていると言うのに、
いまだに「赤信号、みんなで渡れば怖くない」とでも思っているのか?
人災としての猛暑による被害は、来年以降も猛威を振るうでしょう!

社会が目指す方向を変えない限り、環境破壊はさらに進み、
生物多様性どころか、多くの弱い命は死に絶えていくでしょう!
弱い命が死に絶えたとき、命の循環の自然法に従って、
どんな強い命だって、生きていく環境を失ってしまうのです。
子どもたちの未来は、僕らの手にゆだねられていることを、
真剣に考えなければならない、それを促す猛暑だったと思うのです。