草を味方にした田んぼ

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昨日から断続的に、強い雨が降り続いています。
梅雨時期ですから、恵みの雨でもあるのですが、
今年は特に、降るときと降らないときが極端なので、
梅雨の雨も、なにやら不安を感じさせますね。

沖縄へ出発する前に、草整理だけは済ませるため、
先日から少しずつ、草をひっくり返していたのですが、
それも昨日ようやく終わって、こんな感じになりました。
「草刈り」と言わないのは、草を刈っていないからです。

田植え前には、一通り丁寧に草を刈ってあるのですが、
その後の草への対応は、一度大まかに立ち鎌で行間を刈り、
少し稲が生長してきたら、稲の周囲の草は手で抜きます。
と同時に、行間の草はひっくり返して終わりです。

根っこの固い草は、田植え前に一通り刈ってあるし、
それ以外の草は、ほとんど手でひっくり返せますから、
この時点ではもう、鎌を使う必要などないのです。
刈ってない草の中には、また生えてくるものもありますが、
もう稲には勝てませんし、8月前半にも簡単にひっくり返る。

もともと草だけは、たくさん入れてある田んぼなので、
その表面に生えてきた草は、たいがい土から根が浮いている。
そこで手で掴んで引っ張るだけで、簡単に剥がれるのです。
ひっくり返しておけば、先に刈り入れてあった草と一緒に、
順次堆肥になってくれるので、肥料も入れずに済みます。

自然農を始めて最初の頃は、土も死んでいましたから、
なかなかこうはいかず、草も痩せ地のものばかりでした。
最初の数年は、米ぬかや多少の有機肥料や、牛糞も入れて、
冬場も麦やレンゲを植えたりして、命を活性化させてきて、
5~6年目から、ようやく豊かな土が戻ってきました。

その後は、苗床に少し米ぬかと油かすを使う以外は、
まったく肥料を入れなくても、草だけで健康な稲が育ちます。
こうなれば、健康な土に、健康な命が宿る循環が出来たのです。
一本植の苗が、一ヶ月で分蘖してここまで生長しました。
僕が沖縄から帰る頃には、しっかり育っていることでしょう。