「どうするアンポ」

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今年の東京平和映画祭の会場で、一本だけDVDを買いました。
10本あった上映作品のうちの一本で、「どうするアンポ」です。
その他に「911の子どもたちへ」も、関心は強かったのですが、
どちらか一本しか買う余裕がなかったので、こちらにしたものです。
映画祭の上映作品の中から、何か一本紹介しておきたいので、
今回このDVDを見直し、特典映像なども拝見して感想を書きます。

この作品は、前編(Part1)と後編(Part2)から出来ており、
前編では、高校生へのインタビューを軸に、アンポとは何か?を問い、
後編では、地元住人の活動を軸に、アンポ問題の真相に迫ります。
作品で使われているインタビュー「米軍基地、いる?いらない?」は、
巣鴨、原宿、渋谷、秋葉原、新橋で収録され、編集前のものが、
付録として付いているのですが、これもまた興味深い内容でした。

およそ70人くらいの人に、インタビューした結果を見ると、
まず高齢の人は、特に女性が、答えたがらない様子が見てとれます。
またアンポの意味がわからない10代の人たちも、結構多くて、
教育現場で現代史を教えたがらない結果が、よく現れている感じです。
さらに10代の男性は、ほぼ全員が米軍基地を必要だと思っていて、
その理由は、マスコミの言うとおり日本を守るためだとか・・・?

この在日米軍に賛成する人たちは、全年齢層を通して男性中心で、
逆に答えてくれたほとんどの女性は、在日米軍に反対でした。
しかもその理由が、「米軍は信用できない」と言うものですから、
男性側が、日米安保がある限り在日米軍は仕方がない!と答えるのと、
不思議なズレを感じさせる、興味深い結果だったと思います。
女性は直感的に、外国軍の駐留に不安を覚えている感じがしました。

映画本編の内容では、1960年の新安保条約以来いつのまにか、
様々な合意文書や密約で、内容が変化してきたことを明らかにします。
例えば食料輸入自由化や、医療制度や保険制度のなし崩し的改変なども、
多くの制度改変が、アメリカの年次改革要望書通りに行われ、
これらは、日本の制度をアメリカの都合に合わせることが目的で、
こうした努力をすることも、日米安保条約の一部なのだそうです。

米兵による犯罪を、日本の警察が隠そうとした事例がいくつもあり、
これなんかは、米兵の治外法権を密約したために行われたとされている。
日本はどこまで、アメリカに卑屈になっていなければならないのか?
さらに米軍が、世界の同盟国から集める軍事費の半分以上が日本からで、
直接防衛と関係ない「思いやり予算」にも、毎年6500億円使っている。
こうした米軍に使う費用を含めると、日本の年間軍事費は5兆円もある。

この国の将来を担う子どもたちへの、児童手当にする予算もない国が、
なぜ世界一の借金をしてまで、5兆円もの軍事費を必要としているのか?
それは北朝鮮から攻め込まれる可能性を吹聴するマスコミによって、
多くの男たちが、女の不信感を余所に、米軍を信じているからです。
この糞の役にも立たない男たちは、サッサと退陣していただき、
早く女性議員を増やして政治運営される国になって欲しいものです。

なんだか映画の感想をはみ出してしまったけど、
この映画も、中村哲さんの「アフガンに命の水を」も、
同じ「日本電波ニュース社」の製作だと知って、
ちょっと応援したくなったことを書き添えて終わります。