「カフーを待ちわびて」

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沖縄を舞台にした映画は、ほとんど見ていますが、
最近は数が増えてきたので、見ていない作品もあります。
そんな中の一つで、劇場で見損なったまま気になっていたのが、
原作がラブストーリー大賞を取った「カフーを待ちわびて」。
先日TUTAYAの旧作100円の日に、あったので借りて見ました。

「嫁に来ないか、幸せにします」と書いた絵馬を見て、
本当に一人で島へやってきた“幸”を巡る“明青”の物語。
あるはずがないような出来事には、思わぬワケがありますが、
明青はそれを問わないままに、彼女を家に住まわせます。
ところがその、問わなかったことによって誤解が生まれ、
せっかく繋がりかけた二人の心を、自ら切り離してしまう。

明青は幼い頃にやけどした手が不自由で、いじめられたり、
優しかった母が彼を捨てて行ったために、心に痛手を負っている。
村のユタでもあるおばあに、大切に育てられてはいるけど、
小さな店を無気力に開いて、やる気のない人生を送っている。
そんな明青の前に現れた幸を、おばあはカフーとして受け入れる。
カフーとは「果報」のようなもので、沖縄ではよく使われます。

さっさと自分の女にしてしまいなさいと言う、おばあに対して、
心優しい明青は、彼女を大切に思うけど、手を出したりはしない。
そんな明青に、幸は「あなたの幸せは何か?」と聞いてみます。
彼の答えは、「みんなが幸せでいること」だったのですが、
ほとんどの島民が賛成する島の開発を、彼だけが拒んだりもする。
それが災いして、誤解が生まれ、幸を島から追い返してしまう。

ちょっと悲しい物語なのですが、彼女が島へ来た理由を知ると、
さらに切なさが盛り上がって、取り返しのつかなさが迫ってきます。
この物語は、原作と映画ではラストが違うようではありますが、
映画版のあまりにも都合のいいラストは、余計だったかも知れません。
そもそも、肝心な彼女への気持ちをしっかり言えない明青が、
別れるための嘘だけは上手に言えるのも、少し腹立たしかった。

でもこれが現実なのかなあ(映画だけど(^_^;)、なんて思いながら、
架空の島のシーンのいくつかは、知っている場所とわかります。
写真のシーンも、備瀬のフクギ通りじゃないかなと思うのですが、
この辺り一帯は、昔からよく映画に使われているんですよね!
エンドタイトルを見たら、映画製作に協力する組織もあるような。
でもここの海は、もう潜っても何もないんじゃないかなあ。

うう・・・見ていたら、早くも夏の島行きに心が傾きます。
僕はシマンチューじゃないけど、珊瑚礁の小さな島が大好きで、
気がつけば、人生の1/3は、そんな海で暮らしてきたのかも。
本当は明青と同じように、カフーを待っているのかもね!
この物語のようには、幸が来てくれることはないとしても・・・
 
 
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