「石油のありがたさを再認識するEPR初心者向け講座」から

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様々なMLに参加していると、メール量が多くて閉口することもありますが、
それぞれ自分にとって大切なMLなので、なかなか減らすことは難しいですね。
今回も大量に流れるML情報の中に、気になる講座の案内がありました。

「石油のありがたさを再認識するEPR初心者向け講座」と言うもので、
開催地が東京でしたから、今の僕には遠すぎて気楽に参加は出来ませんでしたが、
ありがたいことに、終了後にへ丁寧な内容報告がMLに紹介されていました。
さらにネット上で講座の様子が見られたので、資料PDFを開きながら動画を見ました。
http://www.blog-headline.jp/sustena/2010/03/post_11.html

「EPRとは“Energy Profit Ratio”の略、1のエネルギーを取得するのに
どれだけのエネルギーが必要かという効率を計算する指標」と紹介してあって、
講座では、その計算方法などを順次紹介しているのですが、総体としては、
やがて迎える、石油や天然ガス等のエネルギーピーク後の社会を考えるものでした。
いわゆる代替えエネルギーが、石油に比べていかに劣るかが解説されると同時に、
人類社会がこれを乗り越えるために、総合的な社会インフラ転換の必要性を説きます。

上の二つの写真は、すでにオイルピークを越えた現代社会が、他の資源によって、
ある程度エネルギー需要を賄っても、やがてダウンせざるを得ない状況を示すグラフと、
そのときに必要な社会インフラの姿を、一つの実例でイラストにしたものです。
いずれも上記サイトの資料PDFから、転載させていただきましたが、
この講座でも、今後の最重要課題として“農業”が取り上げられています。

講座自体は、現在社会がどのような事態にあるのかを認識させるためのもので、
農業や食料の問題を提言するために、開かれたものではないようですが、
社会の現状を知れば、必然的に重大な問題として見えてくるのが農業なのです。
食料生産は人間にとって不可欠のものですから、大量のエネルギーが使われており、
特に石油に依存するところが大きくて、農薬や化学肥料の多くは石油に依存しているし、
ラクター、耕耘機、その他あらゆる農作業が、石油動力に依存しています。
その石油や膨大に使えたエネルギーが枯渇すると、食料生産は激減してしまう。

こうした事態は、まだ10年やそこらで迫ってくるものではありませんが、
すでに生まれている子供たちが大人になったときには、必ず直面するのです。
そんな事態に対して、今から対応するのと直前まで対応しないのとでは、
子どもたちの未来は、天と地ほどの差が出来てくることは間違いないでしょう。
なぜなら、現代は豊富な余剰エネルギーを使える、最後の世代だからです。
10年後にはもう、これほど使える自由裁量エネルギーは無くなっているのです。

この段階では、おカネなどいくらあっても何も解決できなくなるのは明らかで、
拡大経済ではなく縮小経済において、なるべく不自由しない社会が求められます。
必然的に、自由な経済活動で“経済拡大”することが社会を豊かにする時代は終わり、
アメリカ型の資本主義社会から、北欧型の福祉社会へ転換するしかないのです。

僕が現在住んでいる片田舎で、こうした勉強会や講座を企画しても人は集まりません。
時としてうんざりしますが、日本全体で見れば、こうした企画は進化しているし、
世界全体で見れば、新しい大きな流れが動き始めていることもわかるのです。
そうした人類の方向に信頼を寄せつつ、僕はこれからもコツコツと自然農を続けます。
「問題を起こさない生き方としての自然農」こそ、僕の原点だろうと再認識するのです。