南砺市・市長への提言

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去年7月から続いていた、南砺市協働のまちづくりワーキンググループは、
昨夜の第8回《市長への提言発表》をもって、最終会議となりました。
全員で22人のメンバーのうち、18人から事前の提言が提出されており、
それを纏めた提言集が配られて、パワーポイントを使った発表もありました。
田中市長も出席されて、直接メンバーとの意見交換にも応じられたので、
僕を含めた何人もが積極的な発言をして、活発な意見交換がなされました。
各人考え方も違うし、協働への視点も違うので、提言そのものは一本ではない、
それをこうして話し合う、この議論こそが大切だったのだと思います。
 
当初このワーキンググループが始まったときは、必ずしもいい雰囲気ではなく、
「いったい行政は俺たちに何をやらせようというのか?」って感じでしたが、
今ではメンバーの多くが、南砺市は自分たちで作るものと思い始めている。
それどころか「行政は市民としての当たり前の感覚を失っている」とか、
「市議会議員はどうして積極的に動かないのか」と議員批判まで飛び出します。
そしてもちろん、圧倒的多数の人が考えたのが、協働の議論ばかりでなく、
具体的に課題を設定しての、市民と行政の協働を実行していく必要性でした。
それによって、一部の人ばかりではない市民全体への意識の広がりを作り、
協働のまちづくりが実現していく!と考える認識の共有です。
 
提言集を見ると熱心な数多くの提言があって、纏めるのは大変そうですが、
これだけ多様な人が、熱心に協働を考えていること自体がすばらしいことで、
4月から本格的に始まる、住民自治基本条例の制作委員会も楽しみです。
この新たに出来る委員会も公募になるようですが、そこでもう一つの課題は、
どうやってこの議論を広く市民全体に広め、一部の意識ある人だけでない、
市民全体のムーブメントとして、盛り上げていけるかと言うことでしょう。
これは単なるイベントとは違い、否応なく必ず全市民に関係してくるのです。
そのことを誤解なく知ることから、協働の行政は始まっていくはずです。
 
そこで僕が、昨夜の会議で特に提言したのは、地域のマスコミとの連携です。
これはメンバーの一人が、代表発表としても提言されていたことですが、
情報はただ公開されていればいいのではなく、あまねく市民に届く必要がある。
それもただ広報に載っているから、それでいいと言うようなことではなく、
関心を持たざるを得ないような「情報表現」の工夫が必要だってことなので、
ケーブルテレビや地域FMや、新聞の地域欄などのマスコミを使って、
地域の話題を興味深くする、日常的な表現方法の工夫を提言したのです。
誰かが、協働は直接民主主義!と言っていましたが、その通りだと思いますし、
これをうまく盛り上げられるかどうかで、市民の将来は変わっていくのです。
 
ともあれ、田中市長の鶴の一声で始まった、南砺市協働への試みは、
協働課創設から一年を経て、確実に前進したのは確かなことだと思います。
そして来月の4月からは、その協働課が役所を出て町中に場所を移し、
「協働のまちづくり支援センター」として、新たな活動を始めることになる。
その場所も公開になりましたので、全員で様子を見に行きました。
中の様子はいずれ詳しく紹介しますが、印刷機や大型プリンターもある。
ミーティングテーブルやスペースはもちろん、ネット用のパソコン、
ページセッター、紙折り機、コピー機、そしてメールボックスもあるのです。
 
田中市長の登場で始まった協働ですが、なぜ田中市長が当選したかと言えば、
すでに多くの市民は、今までの独善的な行政から市民目線の行政を望んでいた、
その気持ちに応えたのが、田中市長だったのだと考えるべきでしょう。
だとすれば、こうして生まれたせっかくのチャンスを、活かすのは市民です。
僕がこのブログで取り上げているような、銀行による有利子貨幣の問題や、
生活の商品化、産業化による拡大経済が持っている弊害などは、
こうした市政に直接関わることではないので、市政の場では言いません。
それでも「将来のまちづくり」と言ったテーマでは、関係するので、
上からではない、下からの民主主義実現に向けてお手伝いしたいのです。