協働のまちづくりシンポジウム

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4日前の17日に、僕らは富山県と協働で企画した
「とやまNPO協働チャレンジセミナー」を終えたばかりですが、
今度は南砺市で、「協働のまちづくりシンポジウム」がありました。
こちらはまだ、市民と行政の協働企画にはなっていなくて、
田中市長の強いリーダーシップによる、企画開催のようでした。

僕は午前中から味噌造り講座があったので、それをこなし、
一品持ち寄り昼食会をして、片付けを済ませてからの駆け付けです。
全部片付け終わったのが1時半で、シンポジウムも1時半からだったので、
いつもは30分かかる会場までの道程を、20分でワープしました。
天気も良く路面も乾いていたし、田んぼの中の一本道なので、
農作業のないこの季節に、多少のワープはあまり危険もないのです。

20分遅れで到着したら、最初の市長の挨拶は終わっていましたが、
基調講演は始まったばかりで、ほぼ全部を聞くことができたように思います。
講師は、前千葉県我孫子市長で、行政刷新会議評価者でもある、
中央学院大学社会システム研究所教授の福嶋浩彦さんで、
「なぜ、今、協働のまちづくりか」と題されたものでした。
この演題自体は、すでにありふれたものになってきていますが、
講演の内容は、新しい公共を模索するために最低限押さえておくべき、
重要なポイントを、わかりやすく話されていたと思います。

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(1)~政権交代地方自治
  分権とは、主権者である市民が、国と自治体に権限を分けて与えること。
  国への陳情が、自民党から民主党ルートに変わっただけでは意味がないので、
  自治体の側から国・地方の関係を変える必要がある。

(2)~自治体に市民の政府を作る~
  選挙で選んだ「長」と「議会」そして「市民の直接参加」によって、
  三者の緊張関係による自治体運営が、本来の姿であることを確認しておく。
  リコール、直接請求、住民監査請求、市民参加、住民投票などを権限強化。

(3)~新しい公共を作る~
  市民が民間で出来るものは、民間主体で行えばいい。
  市民が民間で出来ないものを、税金を払って行政にやらせる。(市民の政府)
  「行政が出したいもの」ではなく「民間がやりたいもの」を民間に戻す。

(4)~市民の自治力を高める~
  市民も自治の力を高め、様々な違う意見の合意形成ができるようにする。
  行政は市民の対話をコーディネートする力を養う必要がある。
  市民の対話をリードする議会の議論が必要。
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主にこんな内容のお話でしたが、福嶋さんが繰り返し力説されたのは、
主権者は住民であり、行政は住民の意に反することをしてはいけないのであって、
特に地方自治では、市長も議会も市民の意志を反映する義務を負う!ってことでした。
そのために(2)で示した法的取り決めがあるのは、納得できるところです。

また現在多くの行政がやっている「協働」の名を借りたコスト削減に対し、
民間を指定管理者にして、そのコストダウンによる合理化などもってのほかで、
「行政が出したいもの」ではなく「民間がやりたいもの」を民間に戻す!
と明快におっしゃられたのには、溜飲の下がる思いで聞くことが出来ました。

これらのことを、我孫子市の実例を交えてお話しされたのは、興味深く、
少々無理をしても、駆けつけて聞くことが出来たのは、良かったと思います。
ただし、その後のパネルディスカッションに関しては、疲れが出て眠くなってしまい、
途中何度も体が崩れそうになって、ハッと意識が戻る状態だったので、
いろいろメモしたことはあるのですが、断片的で全容がわからないこともあり、
今回は福嶋さんの基調講演の報告だけにしておきます。


写真は、パネルディスカッションの様子を写したものです。


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