「新宿歌舞伎町保育園」

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年末年始は何も用事がなく、元旦は映画でも見に行こうと思っていたら、
晦日からの大雪で、わざわざ映画を見に行く気にもならずに家にいました。
一人暮らしでは話し相手もなく、料理を作っても一緒に食べる相手もなく、
たぶん世界中で、僕のように惨めな人もたくさん新年を迎えたはずでなのです。
そんなとき、水商売の女性が「年末年始は嫌いだ!」と言っていたのを思いだし、
関係あるような無いような気持ちで見たのが「新宿歌舞伎町保育園」でした。

こんな状況もあろうかと思って、年末にまとめて借りてきた映画の一本ですが、
ヤッターマン」やら「ドラゴンボール」やら、「レッドクリフ」やら、
やたら壮大なスケールを競う映画が多い中で、この一本は変わっていました。
新宿歌舞伎町で、ホストクラブに勤めている4人のイケメンが店の倒産にあい、
どうしようかとモタモタしているところで、ホステスの子を預かってしまう。
その扱いが親身だったので、次々に新しい子供を預かることになって、
ついには本物の認証保育園にしてしまうと言う、現代のおとぎ話なのです。

歌舞伎町の見慣れた街を背景に、子どもたちと大人の男の取り合わせは斬新で、
出演している男優陣はホストやヤクザなのに、何とも言えずさわやかです。
鎌苅健太、河合龍之介、宮野真守、兼崎健太郎というホスト役の俳優は、
いずれも実際にホストであっても不思議はないような、現代風の若者たちで、
だけど心優しく、その優しさが子どもたちに伝わり、大人の心も動かしていく。
あくまでも「こんな話があったら面白いなあ!」ってノリでしかないけど、
見ていると応援したくなる、人の真心が伝わってくる映画だったのです。

大掛かりなSFXによる、有り得ないほど壮大な映像も面白くはあるけど、
同じように有り得ない話でも、有りかも知れない!と思わせるファンタジー
これはちょうど一年前に公開された映画のようですが、情報も知らず、
今回たまたまTSUTAYAで見つけて、年末だったから選んだ一本だったのです。
見終わってあらためて思ったのは、身の回りに夢を描く映画の力でした。
“やりたい”気持ちが人を動かし、役所を動かし、現実だって変わっていく。

時代の最先端を行く、ちゃらんぽらんな男たちに、いったい何が出来るか?
これはそのまんま、僕らに何が出来るかを問いかけていると思うのです!
どんな映画などの作品も、制作者である送り手と、鑑賞者である受け手と、
両方の心が通じ合って初めて、何かが生まれ育ち広がることを思えば、
僕に出来ることは、こうして評価して伝え、心を共有することなのでしょう。



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