マイケル・ムーア映画監督

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いよいよ明日から、マイケル・ムーア監督の新作が公開されます。
と言っても、明日からの先行ロードショーされるのは、2館だけで、
全国拡大ロードショーは、一ヶ月後になるのですが・・・。
今の時代の根元的な問題について、考える人はぜひ見ていただきたい!
このこの最新作の映画、『キャピタリズム~マネーは踊る~』を、
まだ見てもいないのに推薦するのは、もちろん理由があります。

映画好きの人なら、誰でも知っているマイケル・ムーア監督ですが、
彼の映画制作歴を見ると、アメリカの社会問題が見事に網羅されます。

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1989年★『ロジャー&ミー』では、GMの会長に突撃取材をし、
  工場閉鎖で家や仕事を失う人々を擁護して、企業の無責任さを描く。

1994年★『ジョン・キャンディの大進撃』では、冷戦終結後、
  どこでもいいから外敵が欲しいアメリカを、滑稽に描いて見せる。

1997年★『ザ・ビッグ・ワン』では、海外工場移転で利益を目指す、
  企業のグローバル化を批判して、多くの経営者を突撃取材する。

2002年★『ボウリング・フォー・コロンバイン』によっては、
  アメリカの銃社会の異常さを描いて、カンヌ映画祭の55周年特別賞や、
  アカデミー長編ドキュメンタリー映画賞を受賞して世界的な名声を得る。

2004年★『華氏911』では、ブッシュ大統領の再選を阻止しようと
  公開された映画ながら、ブッシュは再選されてイラク戦争は続きますが、
  カンヌ映画祭では異例のパルム・ドール大賞を受賞してしまいます。

2007年★『シッコ』では、アメリカの医療問題を取り上げて、
  政府の許可なしにキューバを訪問したことも、話題になりましたが、
  それ以上に、現在のオバマ政権下での医療改革を応援したのです。

そして今年★2009年の新作『キャピタリズム〜マネーは踊る〜』は、
  「企業と政治のペテンをコミカルな視点でとらえた作品」として、
  資本主義そのものが持っている問題を、暴く作品としているのです。
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今回の映画は、僕自身が長いあいだ問題視してきたテーマであり、
このおカネの問題をどう解決するか?を見通さない限り、
様々な社会問題は、決して解決などしないのだとわかっているのです。
その意味では、この映画が抱えるテーマは、未来社会への入り口であり、
実はその向こう側にこそ、築かなければならない課題があります。
しかしあまりにもまだ、ほとんどの人は問題に気付いていないので、
こうした映画で、多くの人々が気付いてくれることを期待するのです。

すでに映画の世界では、「ザ・コーポレーション」「ザ・バンク」など、
おカネの世界の異常さを指摘する映画は、たくさん公開されていますが、
あまりに堅苦しいか、ドラマチックになりすぎていて、ヒットしない。
あるいは問題が深すぎて、うっかり触れたくないのかも知れませんが。
そこでマイケル・ムーアの才能が、どんな切り口を見せるか楽しみです。

彼は今、先行ロードショーに合わせて日本へ来ているようですね!
さっそくインタビューに答えて、鳩山首相が母親からもらった政治献金を、
「まるでコメディーだよね」と言ったことが伝えられています。
彼の突撃取材や、映画の編集成果を見ていると、頭の良さが窺えます。
この頭脳を持って、世界の問題の本質をエンターテイメントで示して欲しい!
そんな期待を出来るのが、マイケル・ムーア監督だと思っているのです。

映画『キャピタリズム マネーは踊る』は12月5日よりTOHOシネマズシャンテ、
TOHOシネマズ梅田にて限定公開。2010年1月9日より全国拡大ロードショー。
富山でも公開予定なので、僕はそれを待って見ようと思っていますが、
皆さんもぜひ近い映画館で見に行って、おおいに話題にしてくださいね!