「ロッキー・ホラー・ショー」

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最近の映画に、なんとなく物足りなさを感じていたときに、
TSUTAYAで「ロッキー・ホラー・ショー」を見かけたので、
思わず借りて見たのですが、やっぱりなんだか面白い!
この映画を見たのはまだ学生の頃で、ロサンゼルスにいたとき、
当時もたくさんの映画を見ていたのですが、強く記憶にあるのは、
スター・ウォーズ」「未知との遭遇」「ラスト・ワルツ」
そしてこの「ロッキー・ホラー・ショー」の4本でした。

中でもこの「ロッキー・ホラー・ショー」の鮮烈さは特別で、
それは映画そのもの以上に、その楽しみ方が斬新だったのです!
なぜこの映画を見に行ったのか、すっかり忘れてしまいましたが、
映画館内の雰囲気は、最初からざわざわと楽しそうな雰囲気で、
やがて映画が始まると、客席は大騒ぎのパーティ気分でした。
それもそのはず、この映画は客と一緒に楽しむショーだったのです。

たくみに観客を誘導する、映画の中の解説にも導かれながら、
ありきたりの新婚男女と観客が一緒になって、突然の雨宿りのために、
宇宙から来た人の不思議な館に、足を踏み入れてショーが始まる。
人造人間が出てきたり、水をぶっかけたり、コスチュームを着たり、
こうしたすべてを、映画館内の客が一緒になってやるのです。
ダンスを練習するところでは、観客も立ち上がって踊り(写真右)、
水をかける場面では、実際にコップの水をぶちまけて大騒ぎ(写真左)、
画面の人がリズムを取れば、観客も足踏みでリズムを取ります!

映画がこんな楽しいものだと思ったのは、初めてのことでした。
しかも今思えば、この映画が公開されたのが1975年ですから、
その後35年間に渡って、こんな楽しい映画は出ていません。
DVDを見たら、嬉しいことに観客の楽しみ方も入っています。
そして僕だけがいまだにこの映画を忘れないのかと思ったら、
ネットで検索すると、アメリカ、イギリス、フランスなど、
多くの国で、この映画を再上映して楽しんでいる様子がありました。

それでなくても日本では、映画は静かに鑑賞するものと決まっていて、
映画と一緒になって大騒ぎするなんて、とんでもないのでしょうが、
もっと自遊に楽しむことを忘れなければ、可能性はいろいろあります。
フランスあたりの再上映では、上映中にコスプレした観客が、
ステージにまで上がって、一緒に踊っていたりするのです。
それでもこの映画が無茶苦茶にならないのは、テンポの良さです。
とんでもないシーンが始まったかと思うと、すぐに終わるので、
観客はいつまでも馬鹿騒ぎするのではなく、次に備えて静まります。

日本人ももっと自由な発想を身につけて、映画鑑賞ばかりでなく、
映画と一緒になって楽しんでしまえば、もっと可能性は広がるでしょう。
安全・安心を体制・制度に求めるあまり、何一つ自力で出来なくなって、
気が付けば自分で遊ぶことも出来ないで、ゲーム機に遊ばれている、
こんな貧しい文化を脱いで、ホラー・ショーを楽しみまショー♪


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