女性差別とは何か?

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衆議院の総選挙では、予想通りに民主党が圧勝しました。
選挙の詳しいことは、マスコミでもネットでも大騒ぎですが、
今回一番心を打たれたのは、福田えりこさんの活躍でした。

薬害問題での、妥協しない闘いぶりは爽快でしたが、
強い者への利便を図る政治から、弱い者を助ける政治へ!
この訴えこそ、政権交代で一番望まれることだったでしょう。
それを真正面から訴えて、久間章生を打ち砕いたのです。

お馬鹿なマスコミは、小沢チルドレンと騒いでいますが、
小沢さんの人選は、その他の選挙区でも当を得ていました。
古賀さんの人選よりも、的確に民意を捉えていたのです。

さてこの“弱い者を助ける”と言う観点に立ったとき、
女性差別って今でもあるのかどうか?問われることがある。
僕が参加している、高岡市男女平等推進センターの活動でも、
すでに社会的な男女差別はない!と思っている人がいるのです。

本当でしょうか?

実は昨日、シャキット富山35が主催するワークショップで、
「雇用の多様化の果てに ~公務非正規の現状と課題~」
と題して、公務に携わる人たちの現状の聞き取り調査発表と、
それをもとにした、意見交換会があったので参加してきました。
写真はそのときの様子です。

その調査発表で、公務に携わる女性の多くが非正規採用であり、
劣悪な労働条件で、苦しい生活を強いられているとの報告。
同時にまた、正規の公務員採用では規則は男女平等なのに、
30代くらいになると男性だけが昇進して、差が付いてくる等、
結果として、今でも男女の扱いには差があると報告されました。

公務員にそのような差別的扱いがあるとは、信じがたいですが、
中に何人か参加されていた公務員の方たちからは、実体験として、
「明らかに差別がある!」と言われると、思い当たることもある。

例えば、僕らが実施した男女平等基礎講座のワークショップでも、
会社の規則に男女差別が無くても、女性は家庭での役割に縛られ、
男性のようには残業や休日出勤が出来ないなどの不利がある!
食事や掃除、洗濯などの家の用事は、女がやるものと思われて、
男性のように、仕事だけしていればOKとは見てもらえないから、
会社の仕事だけに全力を尽くすことは難しいから昇進しない!

こんな本音が次々に出ていたのを、思い出さずにはいられません。
結婚していれば、夫の両親からもそうした役割を求められるし、
子どもを産めば、さらに仕事に向けられる時間が減ってしまう!
それで経済的に不利な状態に置かれるのは、おかしいのでは?
まったく同じことが、公務員にもあるということなのです。

ここには明らかに、生産性や合理性でしか人を見ようとしない、
強者の理論によって画一化された、価値観の差別があります。

強い者だけが成果をあげて恵まれればいい!なんて社会は、
野蛮で残酷で、およそ人間的な社会としての意味さえありません。
人が社会を作るのは、強い者の横暴を防ぐためと言ってもいい。
こんなあたりまえのことを、福田えりこさんは主張していたのです。

今の社会に男女差別はない!などと本気で思っている人は、
生産性や合理性の価値観でしか、物事を見られなくなった人の、
いかにも貧しい発想から来た判断だ!と言うしかありません。
この隠された差別を無くするには、様々な価値観を認めて共生し、
不利益にならないシステムを、社会的に用意する必要があるのです。

こうした新しい価値観による社会を作るには、新しい発想で、
政治や公務と言った世界に、クオータ制を義務づけるとか、
生活必需品の経済と、それ以外の経済を分けることが必要なのです。

さて、圧倒的多数を占めた民主党政権は、はたして何が出来るのか?
間違っても、安倍の某のようなお門違いだけはしないで、
福田えりこさんが訴えたことを、実現していって欲しいのです!