平成21年度・市町村中堅職員基礎過程研修の講師

見事にそのまんま、堅苦しい名前の研修会を手伝ってきました。
僕が受け持ったのは、NPOや市民と行政との協働を進めるために、
ワークショップの体験学習でファシリテーターをすることです。
12時から、研修会場の近くで打合せランチをしましょうと言うことで、
1時間掛けて車を走らせるため、10時半に家を出てドライブです。

走り初めてカーラジオを聞くと、番組では皆既日食の話題で大盛り上がり。
富山県内でも、70%の部分日食は見られるとのことでしたが、
日食を見るには、それなりの道具も持っていないので無理だろうと、
特に見ようともせず、富山市の農協会館までノンストップで行きました。
ところが、駐車場に車を止めて空を見たら、ちょうど部分日食が!
適度な雲がフィルターの役目を果たして、肉眼で見えたのです。

実際に富山市内へ入った頃から、周囲の光は微妙に具合が違ってきて、
単なる曇り空の薄暗がりとは何かが違う、不思議な時間を味わいました。
これが皆既日食のコース上なら、よほど感じるものも大きかったでしょう。

ちょっと気分を良くして、ランチはお店でワークショップの打合せ。
それから県の担当職員とも話をして、午後1時から職員研修に参加です。
この職員研修ですが、僕らのワークショップ以外は二日間に渡って、
ただひたすら話を聞く講習を受けるだけだとも聞いています。
せめて僕らのワークでは、しっかり動いて、意見も聞かせていただきます。

160人ほどの研修参加者を、4人のファシリテーターが受け持つので、
一組40人と言う大人数のワークショップを、2時間でこなすのです。
これでは全員が十分に意見を出し合うのは、時間的にも難しいのですが、
参加者のほとんどは、ワークショップが初めてと言うことでもあり、
まずは体験していただくことを主目的にして、アイスブレイクから始め、
6つのグループに分けて、全員に自己紹介と問題提起をしていただく。

ほとんどがまだ20代の職員たちで、将来は協働の担い手になる。
それならこの人たちに、協働の手法としてのワークショップを覚えてもらい、
それを自分の市町村に持ち帰り、実際にやっていただけるようになって欲しい。
そう思えば、こちらの指導にも一生懸命熱が入って声も大きくなります。

なにしろ慎み深い富山県民の代表のような、優秀なおとなしい職員ですので、
全員参加で活発な議論をしていただけただけでも、大きな収穫だったでしょう。
10年~20年後の自分たちを取り巻く環境を、一市民として考えたときに、
何が問題になると考えるかを、まず個々人に考えてもらい、それを話し合います。
その上で問題点を整理して、タックに書いて、項目別に貼り出します。

次ぎにその項目の中から、各グループでテーマにする問題点を決めてもらい、
それぞれ選んだテーマをどのように解決するか、話しあってもらうのです。
こうした作業を、すべて2時間の限られた時間内に行おうと言うのですから、
時間に追われての作業でしたが、ワークの流れは体験していただけたでしょう。
最後は各グループが整理した解決策を発表してもらい、質疑応答をして、
これで本日のワークショップを終わらせていただきました。

先日は南砺市の協働グループに参加したものの、不満も多かったのですが、
今日の話を聞いていると、市町村の職員はワークショップの経験もない。
協働という概念はひとり歩きを始めているものの、そのノウハウを知らない。
これでは困るので、こうした研修会でワークショップを学んでもらい、
市民やNPOとの協働を進める上で、何らかのヒントになればいいと思いました。

沖縄出発予定日の前日にも関わらず、急遽引き受けたお手伝いでしたが、
将来の地方行政を担う人たちと一緒に、こうした体験を共有できたことは、
今すぐには目に見えない形でも、役に立てたのではないかと思います。
これで、心おきなく石垣島へ向けて出発します♪