「珈琲一杯の薬理学」

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たった今、朝のコーヒーを飲みながら、
岡希太郎さんの「珈琲一杯の薬理学」を読み終えました。
この季節の朝は、いかにも清々しくて気持ちいいのですが、
そこに一杯のコーヒーがあれば、さらに豊かな気分になる。
単なる嗜好品を超えた、不思議な味わいの正体は何か?

同じような好奇心を持った人が、シッカリ調べて、
こんな興味深い本に仕上げているのが、面白いですね。
前半が薬史学として、珈琲の歴史を書いてあるのですが、
珈琲の原産地は、エチオピアのアビシニア高原とのこと。
そこへ行けば、今でも原木を見られるとのことですが、
いつ頃からコーヒーが飲まれるようになったかはわからない。

13世紀にはヨーロッパに伝わって、宗教と結びつき、
イスラム、キリスト双方の記述に、全く違う伝説が登場する。
世界最古の記述としては、10世紀初めのペルシャ医学書に、
眠気覚ましや吐き気の改善に有効として、載せられている。
当時は、生豆を砕いて、煮だして飲んでいたとされています。
現代のように焙煎豆を使うようになったのは、13世紀とか。

日本では1804年に、蜀山人が長崎で飲んだ感想を、
「焦げ臭くて味ふるに堪えず」として、人気が出ませんでした。
それでも薬としては使われて、1855年に幕府の北方警備隊が、
ビタミンBの補充用に、珈琲を持っていって飲んだとのことです。
明治になって、日本初の珈琲を出す喫茶店「可否茶館」が出来ますが、
人気がなくてすぐに閉店してしまったと記されています。

人気が出るようになったのは、以外と近い戦後のことで、
僕らが毎日飲んでいるコーヒーは、最近50年の習慣なのです。
そしてこれが様々な薬理効果を持っていて、次第に内容の解明もされ、
成分としての効能だけではなく、焙煎によって生まれる作用など、
いくつもの生活習慣病に対する、予防効果があると言うのです。
なぜ薬として利用されないかと言えば、手軽すぎるからだとか。

覚醒作用、喘息、皮膚病、糖尿病、高脂血症、肝癌、パーキンソン病
さらにアルツハイマーにまで効く可能性が高いと言うから驚きます。
ただしこうした効能を得るには、浅煎り、深煎りなどの違いを知って、
適度にブレンドをする必要があったりの、手順があります。
詳しいことを知りたい人は、本を一読してみてください。


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