成熟した東京平和映画祭!

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第6回目となった今年の東京平和映画祭は、
日程が6月中となり、農作業の時期にぶつかりました。
ちょうど今年、新しい農の試みも増やした僕には、
厳しいスケジュールで、最後まではいられませんでしたが、
それでもやっぱり参加して良かったと思わされました。

特に今回は、「おカネ経済の嘘に迫る」テーマでしたから、
長年おカネに疑問を持ってきた僕にとって、重要な回となり、
そこであらためて、今まですべての上映作品が繋がったのです。

思えばその端緒を開いてくれたのが、「エンデの遺言」で、
今回はその企画制作をされた、河邑厚徳さんもお迎えしました。
この番組が作られるきっかけとなったエピソードや、
時代を超えた真実から、あらためて時代を見据える視点の大切さ、
そうした制作者の視点など、興味深い話しも聞けたのです。

映画監督として鎌仲ひとみさんを知ったのも、「エンデの遺言」で、
彼女の他の作品から、原子力産業の持つ恐ろしさを知らされます。
それ以前から、環境問題として原発に反対していた僕の中で、
環境破壊-経済成長-原子力産業-利権癒着-金融経済-武力紛争、
こうしたものが次々に繋がって見えてきて、真実の世界がわかる。

田中優さんの話も、きくちゆみさんの話も、同じ環を成して繋がり、
一部の利権者を太らす経済成長のために、たくさんの人が殺され、
世界中で貧富の格差が広がっている理由までが、わかってくるのです。

「雪の下の炎」から見えた、中国政府によるチベットの弾圧も、
「冬の兵士」に見えた、アメリカ政府によるイラク攻撃の理不尽さも、
日本では公開されない、日本の被曝労働者「隠された被曝労働」も、
市民の人権や平和を踏みにじり、経済拡大を目論む利権者たちの姿がある。
そして世界中に、貧富の格差と不安と絶望が蔓延していくのです。

金融による経済拡大は、決して多くの人々を幸せにするものではなく、
むしろこのマネーシステムは、社会に貧富の格差を広げていく。
資金がないから福祉が出来ないなんて、とんでもない大嘘で、
彼らはそうやって借金を増やし、それがまた彼らを太らせるのです。
しかもマスコミと教育は、この真実を決して明かそうとはしないから、
僕らは市民活動として、この真実を伝えていくしかないのです。

さて東京平和映画祭では、毎回様々な平和を脅かす現実を暴くと共に、
必ず何か希望の兆しを示す作品も、紹介し続けているのですが、
今回は、ヘレナ・ホッジさんの「Shifting from Global to Local」と、
インドでの新しい農を描いた「ヒト・ウシ・地球」がそれに当たります。
これらはいずれも、僕ら一人一人が出来ることなのが新しさでもある。

今回は特に、若いボランティア・スタッフが増えたようで嬉しかった。
年輩者の役割は、現在の問題を正しく知って後世に残さないこと。
そう考えると、この平和映画祭が成熟してきたことを感じます。

写真は13日のフィナーレで、舞台に集まったスタッフたちの様子。
一番手前の後ろ姿が優さんで、その向こうにいるのが、ゆみさんです。