「隠された被曝労働」

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今回の映画祭で一番衝撃を受けたのは、樋口健二監督作品で、
イギリスのチャンネル4の依頼で作られた、日本未公開の作品、
「隠された被曝労働~日本の原発労働者~」でした。
日本では現在、この地震の多い狭い国土に36基の原発があって、
大勢の原発労働者がおり、40万人が被曝していると言われます。

三菱、日立、東芝などの元請け企業は、ひたすら儲けるだけで、
実際には下請け→孫請け→ひ孫請け→親方→日雇い労働者がいて、
絶望的にその日暮らしの日雇い労働者が、被曝して捨てられている。
その実体は、決してマスコミに取り上げられることはないけど、
それぞれ設計から発注製作される原発は、運用を自動には出来ず、
重装備の作業員が日々被曝量を計算されて原発内の作業をしている。

この被曝労働者は、被爆者としての社会保障もなく、使い捨てで、
どれほど過酷な後遺症に悩まされようとも、社会の表面には出ない。
樋口さんは、過去にNHKの依頼で被曝労働者の取材を始めたとき、
上層部から没にされた苦い経験をお持ちでしたが、それにめげず、
この番組は1995年に、イギリスで製作、放映されたものでした。

今回僕は東京平和映画祭の上映で、初めてこの番組を見たのですが、
この作品はネット公開されているので、誰でも見ることが出来ます。
映画祭に参加できなかった方は、ぜひネットでご覧になってください。

「隠された被曝労働」
http://video.google.com/videoplay?docid=4411946789896689299

番組が作られた1995年以降も、日本の原発事情は悪くなる一方で、
すでに何度もの事故や地震による被害、緊急停止があったことは、
マスコミ報道を通して、多くの人が知っている通りです。
一万年に一度と説明された地震による被害は、すでに何度も起きて、
すると今度は、さらに強度を強くすれば問題ないと言い出す電力会社。
こんな説明を信じるなら、説明責任など単なる言い訳でしかありません。

もうすぐ国政選挙になったときに、立候補者がどの政党であれ、
これからも原発を推進するのか? 自然エネルギーに転換するのか?
是非ともその考えを聞いて、さらに政党の方針を考慮して投票したい。
おカネも経済もエネルギーも食料も、循環共生型にシフトさせたいのです。