「自然の野菜は腐らない」

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以前から僕は、問題を起こさない生き方としての自然農を学びながら、
実際に田畑で、自然農による作物の栽培をしているわけですが、
「哀しみのチューリップ」でも書いたように、疑問に思うことは多いです。
F1種のことや、有機肥料のこと、様々な化学物質アレルギーなど、
すべては繋がっていると感じてはいても、繋がり方は明確には見えない。
それがこの連休に、図書館で出会った本によって、全体が見えてきました。

長年自然食品に取り組んでこられた、河名秀郎さんの「自然の野菜は腐らない」
を読むと、僕が今まで学んできた自然農の意味が、わかりやすく説明され、
戦後すぐに自然栽培を唱えられた岡田茂吉さん以来、と言うか、
日本では昔から伝えられてきた自然食の智恵が、明らかにされているのです。
現代の健康ブームの正体が、いかにまやかしに満ちた商売でしかないか!
なにも賞味期限の誤魔化しや産地偽造やしなくても、嘘ばかりの食品表示で、
市場に出回っている食品のほとんどが、人を不健康にする原因でしかない!

さらに僕が長いことあいまいな理解で、はっきり言えなかったことに、
有機農法と自然農法が、どれほど違う農法なのかも、わかりやすく書いてある。
特に驚いたのが、有機であれ何であれ、肥料を使うことが土を不健康にして、
様々な問題の原因になっている!というのは、今までの想像を超える話でした。
肥料過多による、緑の濃い野菜類は、硝酸性窒素が多すぎて人体に悪影響があり、
欧米では、野菜や水道水の残留硝酸性窒素量を制限しているとのこと。
動物性堆肥で緑濃く育った草は、牛も避けて食べないと言うのです。

無農薬でリンゴを栽培する木村秋則さんは、もうあまりにも有名ですが、
彼が作る自然栽培のリンゴは、美味しいだけでなく、腐らないと言います。
常温で一年おいておくと、形を保ったまま水分が抜けて収縮して、
二年後には、小さくドライフルーツのようになってしまうと言うのです。
これは他の作物でも同じで、人工栄養で育てられたものに比べると、
無農薬の自然栽培のものは、切り口が均一で、腐りにくいのだそうです。
この50年間で、市販されている野菜の栄養価が半減しているのも驚きです。

現代医療も農業と同じで、大量の薬を使うことで土台を殺してしまい、
さらなる薬を投与しないと、持って生まれた命を全うできなくなってしまう。
それを表面的な対処療法で済ませているから、人々は次第に健康を失って、
様々な成人病や癌や、化学物質過敏症になると言うのも、頷けるのです。
僕自身、東京での生活で体をこわしてしまったときに、引き金はストレスで、
もう望まない仕事や人間関係に悩まされる生き方を、やめようと思ったのですが、
身の回りの洗剤や、金属や、水や、空気から、自分が健康を害していることは、
身体的、直感的に、感じ取っていたから、東京を離れたと言えるでしょう。

農業も同じで、肥料による現代農業を続けている場所は、土が死んでいる。
それどころか、余計な生命活動は邪魔だとして、土を滅菌して作物を作るので、
こうした土壌では、農薬を使わない自然栽培そのものが不可能になっています。
僕が現在、新しく始めた田んぼの土が、まさしくその状態でして、
健康な土のようには、下草も映えず、背の高い芦のようなものが生えていました。
水捌けは驚くほど悪く、生命活動よりは、無機質な物しか感じさせない土なのです。
この放置田の悲惨さは、放置されたことより、それ以前の農薬の悲劇なのです。

だいぶ長くなりましたので、もっと知りたい人は、直接本を読んでみてください。
作者の河名さんは、今では「ナチュラル&ハーモニック」を通して、
自然食品の生産販売に関わりながら、衣食住すべてにナチュラルライフを提案。
生き方そのものをアドバイスする活動を、精力的にされているようです。
人の健康を考え、自然農に行き着いた人は、必然的に生き方を考える。
その全部が、人間としての自然の摂理なのだろうと、納得させられました。


河名秀郎さんの「自然の野菜は腐らない」は、(↓)こちらからどうぞ!
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