今年の「自然農学びの場」

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毎年3月恒例になっている、春の自然農打合せに参加してきました。
冬のあいだ農作業をしない僕らにとっては、これから農作業の季節です。
今年は新しい人を含めると、30人近い人が集まって話をしました。
リーダーの石黒さんは、自然農歴20年近くになるようですが、
この「学びの場」を初めてからは、ちょうど10年になるようで、
911事件の翌年から始めた僕は、今年が9年目になります。
参加者は増えたり減ったりしながら、長い目で見れば増えています。

富山県内で、実際に人が集まって自然農している農場は3箇所です。
中央には八尾の大玉生農場があって、これが毎月第2土曜日、
西部には僕が参加している頼成農場があり、これが第3土曜日で、
東部は魚津の天神山農場が、毎月第3日曜日を学びの日と決めました。
この日はそれぞれの農場で、午前10時から石黒さんの指導があり、
僕らはその指導を参考にしながら、自分の区画で農作業をしていきます。
また参加者の中には、田畑を自分で別の場所に確保しており、
学びの日にだけ、指導を受けに来る人も、少しずつ増えています。

奈良の赤目塾ほど人はいませんし、各自マイペースでやっていますが、
僕自身はこのスタイルが結構気に入っていますし、楽しんでやっています。
ただ残念なのは、自分の家の周囲に田畑があるわけではないことで、
なるべく小さな範囲での、食とエネルギーの自給を理想と思う立場では、
農作業に車で出掛けるのは、何ともいさぎよくない気持ちはします。
それでも完璧を求めて何もしないより、少しでも問題を起こさない方へ、
今はまだ車で走り回ってでも、市民活動と農作業を続けるしかありません。

おカネや大量のもの、高級なものを手に入れるよりも、もっと豊かに、
せっかく持って産まれた、自分の命の豊かさを味わっていきたいと思えば、
大切なのは自由な時間で、まずこれを守ることが一番重要になります。
その上で、食とエネルギーの自給を目指しながら、自分に出来ることをする。
この工夫と努力の連続が、その人の生き方そのものになると思うのです。
生活を維持するために働くことは必要ですが、少なくとも現代では、
多くの日本人は働き過ぎで、おカネを稼ぎ過ぎで、ものを持ちすぎです。
この過剰分を、社会的弱者に回せば、セーフティネットはすぐ出来る。

ところが、どこまでも期待だけ持たせて、よく働く人材を育成し、
働いた成果は一部の人間が独占するシステムを、完成させた日本では、
政治もマスコミも行政も教育も一緒になって、消費は美徳と押し付ける。
その結果が、世界有数の生産と消費の国になりながら、幸せが薄く、
一生懸命勉強して働いて、自分が何のために働くのかわからない人が多い。
この奇妙な国は、諸外国から「おかしい」と言われないとわかならいほど、
何を目指しているか判然としない、不気味な大国になっているのです。


さあ、もっと自由に、限られた時間を大切にして、
今ここに生きている喜びを、世界中の人と分かちあえる、
そんな生き方をしたいと思わずにはいられないのです!