農せよ乙女♪

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昨夜見た、報道ステーション後のお笑い番組に、
農業高校出身のお笑い芸人ばかり、5人出ていました。
芸の程はともかく、いかにも素朴な感じの人ばかりで、
普段は茶髪のヤンキーが、喜んで野菜を売りに行く話など、
高校生時代のエピソードも、思わず聴き入ってしまいました。

子豚の雄を去勢させるために、ペンチでキンタマを潰す!
なんて話は、思春期の男としては心穏やかではないはずだし、
野菜の間引きをしながら、生き残ることの意味を考えたり、
頭で考えるだけではない、人生を学んでいる感じがしました。
そういえば僕が学んだ福野高校も、僕自身は普通科でしたが、
農業科や畜産家があって、開校時は農業高校だったと聞きます。

学校教育が時代に合わせて変化するのは、当然のことですが、
10年後20年後の人作りをする教育では、目先にとらわれず、
人類普遍の理想を示すような、人間教育を中心にしてほしい。
だけど現実は、いまだに進学が優先されていると聞いています。
進学が目指す先は、公官庁か大企業への就職なのでしょう。

そんな中で、今でも農業高校が続いているのは嬉しいですね。
人間社会がある限り、農は大切な生きる術であり文化なのです。
今大騒ぎの労働問題も、人類史的には農から始まったもので、
工業化の過程で何が変わり、失われたかを考えればいいのです。
過剰な工業化は人間生活を商品化して、気が付くと人間を見失う。
消費によって消えていってしまうのではない人間!とは何か?

お笑い番組では、スタジオ視聴者の若い女性たちの中にも、
何人もの農業科出身の人たちがいて、とても輝いて見えました。
もの思う頃に、作物や家畜を通して“命”と向き合った経験は、
成人して生きていくときに、人間とは何かを考える糧になる。
時代に惑わされず、自分を生きる核になってくれる気がします。