「テラ・ルネッサンスⅠ」

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株式会社インフィニティの(『心を育てる』感動コミック)、
第3弾として、NPOテラ・ルネッサンスを紹介する本が出ました。
様々な市民活動を通して、このNPOの活躍は知っていたし、
小川真吾さんや、鬼丸昌也さんのことも、聞いて知っていたので、
それがどのように紹介されているのか、興味がありました。

そもそもテラ・ルネッサンスとは、
ウガンダの元・子ども兵の社会復帰プロジェクトに始まって、
カンボジアでの地雷除去支援、小型武器取引規制キャンペーンなど、
戦争の犠牲になっている子どもたちを、助ける活動が中心で、
2001年10月に創設されたNPO法人です。
マンガではこの活動を、鬼丸さんや小川さんの目を通して、
具体的に、なぜ、何をどうしようとして、どんなことを始めたのか?
そしてその結果、何が代わろうとしているのかを紹介しています。

マンガだから、戦争の悲惨さは伝わらない!と思われるなら、
全くその通りで、肉体がちぎれる阿鼻叫喚は描ききれないマンガです。
だけど僕らは、そんなものを見たくないから、戦争に反対するし、
戦争を知らない世代であることを、誇りに思えばいいと思うのです。
一部の戦争好きな人たちは、戦争を仕方のないことだと言って、
自分は戦うわけでもないのに、若者を戦場に送ろうとする。
さらに実際の戦場は、女も子どもも切り刻まれる地獄なのです。
それを克明に描く必要など、まったく無いと言っていい。

「思いやりと優しさの輪を広げていきたい」と言うスタッフで、
社長自らが取材した内容を、西原大太郎さんの絵で仕上げています。
この絵は、残酷なシーンも描きながら、どこか優しさがあって、
スタッフ一同、伝えたい心の何かが絵にも現れている気がしました。
特に、実際に戦場で少年兵として戦った少年少女が、自分の体験を、
インタビューに答えて話をするところは、哀しみが溢れている。
だからこそ、保護されたときに険しい目つきだった子どもたちが、
次第に優しい笑顔を取りもどす話は、素晴らしかったです。

そして彼らは、日本の子どもたちとの交流を通して、
自分たちは決して孤立していないことを知って、勇気を持ち、
それどころか、自殺者の多い日本人を心配する思いやりまで見せる。
この、相手を思いやる心の大切さを、再確認させてくれるのです。
そして最後にこの本は、僕らは誰しもが「望めばできる」と教えます。
誰しもが小川さんや鬼丸さんのようにはできないとして、
それでも誰にだって何かできることはある!と訴えるのです。

自分に何ができるかは、何を望んでいるかでしかありません。
人は根元的に自由であるからこそ、自分で生き方を決めるしかない。
まだ未熟な子どもたちは、大人が守らなければなりませんが、
大人はしっかりと、自分の生き方に責任を持つ必要があるのです。
この本は、それを訴えているように思いました。


上記紹介の「テラ・ルネッサンスⅠ」は、(↓)こちらから。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4903758028?ie=UTF8&tag=isobehon-22