!一億総百姓時代!

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マスコミで経済問題を検討する場合に、
失業率というのは、大きな指標になっています。
しかしこの数値は、仕事を雇用に求める人の話で、
自給自足的な農業従事者などは、就業者でさえない。
僕も含め、いわゆる「無職」で暮らす人なのです。

だけどこの無職は、働いていないわけではない。
雇用関係ほどではないけど、引き受け仕事をしたり、
生きていくために必要な衣食住の一部を自給して、
余剰分を誰かと分け合ったり、工夫して生きている。
いわゆる経営者でもなければ、給与所得者でもない、
そうした関係ができる以前からの生き方なのです。

なかでも多いのが、農の自給生活者でしょう。
人間まず食べていければ、なんとかなるものだから、
限界集落に取り残された老齢の人ばかりではなく、
都会の喧噪を逃れた人が、住み着いていたりする。
彼らは金銭的な収入としては、低所得者ですが、
自分の将来には不安もなく、安定した暮らしをし、
政府が掛け声ばかりの循環型生活を実践しています。

こうした幸せの在り方は、儲け話にも無縁だから、
金融マネーやバブル経済にも、また不況にも関係ない。
それどころか、環境も破壊しないし、ゴミも少ない。
生物の多様性にも寄与しながら、循環型社会を実践する。
さらには命との繋がりによって、充実して生きられる。
こうした生活が、見直されないはずがありません。

11月に東京で行われた、自然農従事者の集まりの中で、
衆議院議員坂井学さんは、こんな資料を配られました。
「目指せ!! 一億総百姓時代」

この中で坂井さんは、
「田んぼや畑を生業とする農業とそれ以外の農とを
 完全にわけて考えること」が大切だと指摘されています。
彼はそこで、あらゆる人が農に関わることで、
肉体労働による健康や、工業製品とは違う命との付き合い方、
あるいは自然界や世の中の理についても理解すると言うのです。

そこで、もっとも手軽で、チャレンジしやすい農として、
鍬一本と鎌一本あれば、誰にでも始められる自然農を紹介し、
一億総百姓の農として、広く普及することを推奨されている。
なるほど、面白い視点だなあ!と感心すると共に、
自然農が本当に理解されるのは、まだ先の話だと感じました。
生き方としての自然農から見れば、世界観が変わるので、
政治経済の在り方までが、成長から循環に変わってしまう。

成長経済にしがみついて、国造りをしてきた歪みを、
一億総百姓で正そうとすれば、正しい人の在り方に目覚め、
その時こそ、日本型であって中央集権でない、
新しい民主主義が始まるかも知れない!と期待します。

道は見えるけど、目的地はまだ山の彼方だね~!