一つの工夫

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自然農は、原則的に草や虫を敵としないのですが、
そうかと言って、自然そのままでは収穫もありませんから、
人間の知恵である「農」が加わって、収穫をいただきます。
田んぼでは、虫よりも草対策が中心になりますので、
今年は晩稲のトヨサトを植えるとき、少し工夫をしました。
立ち鎌でサクサク草を刈るには、稲の根元が難しいので、
根元には草が生えないよう、そこだけ根こそぎ取ったのです。

やり方は至ってシンプルで、田植えに際して草を刈るとき、
苗をおろす場所だけ、草を根こそぎ取ってしまうのです。
取った草や根は田んぼから持ち出さず、田植えの行間に寝かせ、
その部分から生えてくる草は、後で立ち鎌で刈るだけです。
今年はこの行間の草刈りを、2回適当にやったのですが、
最終的には、草に負けている部分も少しあったようなので、
2回の草刈りをもう少し丁寧にやるか、3回にするか、
どちらかにすれば、もっと元気な稲を育てられるでしょう。

写真は、わかりやすくするために草を避けた状態で、
稲の株が育っているラインには、ほとんど草がありません。
行間にだけ草が生え育っていますが、これも稲丈よりは短い。
おおむね稲の方が他の草に勝って育ったってことでしょう。
収穫量もまあまあですが、それ以上に稲の姿が美しいのです。
作物を大きく多く作るよりも、美しく充実して育てる!
指導されるとき、「命が十全に!」と言うのはこれでしょう。

ミドリ米を刈り終えて、トヨサトも半分は刈りました。
予定では、晩稲はもっとゆっくりでもいいつもりでしたが、
週間天気予報が急に変わって、この後しばらく悪天候になる。
しかもたっぷり実った稲穂が、少し脱粒を始めていたのです。
昨日は午後から、今日は朝から昼過ぎまで急いで刈って、
他の米を脱穀し終わったハサに、また米がぶら下がる。
早稲と晩稲を順序よくやれば、ハサは2倍に使えますね。
コシヒカリより、イセヒカリやトヨサトの稲穂が立派だから、
来年はコシヒカリをやめる選択肢もありそうですが・・・

今朝の予報通り、ポツポツと雨が降り出して作業は終わり。
稲刈りもあと半日と計算しながら、畑で野菜を取って帰りました。
ネギも今年初めてうまく育ち、取った1本を食べるのが楽しみです。
白菜は市販のもののようには丸まりませんが、虫食いも収まって、
当分は大きいものから一つずつ、持ち帰って食べられます。
ニンジンも本格的に間引きが必要な大きさになってきました。
大根も順調に育って、9月から実りだしたナスが美味しそうです。