早稲と晩稲

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今年の米作は、例年のコシヒカリ古代米の他に、
奈良で川口さんが作っておられるトヨサトも作付けしています。
去年石黒さんが作っておられるのを見て、おおらかな成長が気に入って、
今年は自分でも作りたいと思って、種籾を分けてもらったものです。

田植えでは、このトヨサトを先に植えてコシヒカリが後でしたが、
さすがに現代人好みのコシヒカリは成長が早くて、見てのとおり、
左側のコシヒカリはもう花が咲いて、9月末には収穫出来そうです。
それに比べて右側のトヨサトは、晩稲品種なので成長は遅く、
見てのとおり、まだ背丈も小さくて、花の咲くのは9月になってから。
収穫出来るのは、10月末くらいになると思われます。

日本人は初物・新物が大好きなので、米も早稲に人気があります。
9月になるともう今年の新米が出回り、それが高く売れるから、
農家はどうしても、早稲品種を中心に作付けをするのですが、
僕はどちらかというと、一ヶ月以上余計に日数のかかる晩稲の方が、
その時間の分だけ、何かが充実した味わいがあるように思うのです。

そもそもおおかたの古代米は晩稲なので、たぶん早稲というのは、
早く食べたい人間の都合で、品種改良されたものかもしれないですね。
少しでも早く、多く作りたい人には良いかも知れませんが、
人生そのものを、ゆっくりおおらかに味わいたいと思ってしまうと、
お米だって、時間をかけて味わい深くなったものがいいと思う。

早々と成長したものは、賞味期限が切れるのも早い気がするし、
内容の豊かさを考えても、じっくり成長したものの方が豊かそうです。
いやもっと正確に言って、早稲も晩稲もそれぞれの個性だとすれば、
欲張りな僕は、どちらも味わいながら、人生を楽しみたい。
10代においては若さを楽しみ、20代で精一杯世界を広げて、
30代で社会的役割を果たし、40代では自由自在に生きる。

おっと、人生の話ではない、お米の話でしたね。
と言っても、どちらも命に関わる点では同じことなのです。
何が良いと決めつけずに、様々な価値観を受け入れて生きれば、
攻撃的でない、破壊的でない、真の豊かさを味わえる気がします。

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 ※ 自然農を最初に提唱され、実践された福岡正信さんが、
 8月16日に、95歳でお亡くなりになったと聞きました。
  ー合掌ー
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