第一回「新しい生き方を探る読書会」

僕にとって今年の新しい試みとして、
富山県民カレッジ自遊塾に講座を開設したのですが、
その「新しい生き方を探る読書会(池田晶子を読む)」の、
第一回目を、昨日無事に行うことが出来ました。

参加申し込みをしてくれた人の中には、
なかなか講座への応募人数が集まらないのを知って、
協力応募してくれた人たちもいたことは事実です。
それでも最終的には、12人募集に13人の応募があって、
応募者全員を受講者とさせていただきました。

第一回目は、二人の方から欠席届がありましたけど、
僕を入れてちょうど12人が参加というのは、
全員で話し合うのに、ちょうどいい人数かもしれません。
読書会としての「人生のほんとう」に入るのは次回からで、
今回は、この本を取り上げる理由とテーマについて話し、
参加者の自己紹介や、何を思って参加したかなど話しました。

この本を取り上げた理由とテーマに関しては、
(善く生きる)がテーマで、(常識を疑う)のが鍵であること、
それをうまくまとめて表現されているのが池田晶子さんで、
この本は、生活への密着感から取り上げたと説明しました。
また(善く生きる)ために、なぜ(常識を疑う)のかについて、
ギリシャ哲学の「ゴルギアス」の話から、西欧科学の意味、
現代その真理がどのように揺れ動いているかを話しました。

特に池田晶子さんの考え方を探るポイントとして、
彼女が卒業論文で、メルロ・ポンティを取り上げたことから、
「見えるものと見えないもの」の本の紹介とその時代背景、
70年代には、西欧を中心に新しい価値観の模索が始まって、
その流れに、新しい環境意識や人権意識があるとも話しました。
具体的に何冊か紹介した本は、次の通りです。

「見えるものと見えないもの」メルロ・ポンティ(みすず書房
「人間復興の経済学」E.F.シュマッハー(佑学社)
「朗読者」ベルンハルト・シュリンク(新潮社)
「人間とは何か」カール・シュバイツネッガー(ミネルヴァ書房
http://blogs.yahoo.co.jp/isop18/53338960.html
「愛するということ」ベルナール・スティグレール新評論
http://blogs.yahoo.co.jp/isop18/49957052.html
「地域をデザインする」駒宮博男(新評論
http://blogs.yahoo.co.jp/isop18/53995558.html

2時間に渡る話と意見交換で、おカネ経済の話もでてきました。
何でもおカネがないとできない!と考えるのは間違いで、
衣食住の基本は、自分で直接賄える方が豊かだとする考え方に、
一人の男性が、理屈はわかるが、自分だけのことではなくて、
親の介護を考えると、働いておカネを稼がなくちゃならない。
と話されたことに対して、様々な意見が飛び交いました。

僕はそのどれが正しくて、どれが間違っているとは思いませんが、
大切なのは、既存概念だけで考えずに疑ってみることだと思います。
この読書会は、まさしくそうした思考の柔軟性を求めるもので、
次回からは本格的に本の内容に入りながら、検討を進めます。
それはさらに、人生の豊かさとは何か?を模索するものです。