クラスター爆弾と自衛隊

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アイルランドの首都、タブリンで開催されている軍縮交渉
オスロ・プロセス」で、かねてより批判の多かったクラスター爆弾の、
即時全面禁止(生産、使用、移動、備蓄)条約が合意されようとしています。
残念ながら、アメリカ、ロシア、中国は参加していませんが、それでも、
英独仏、ノルウェーオーストリアなど約120カ国が参加する会議ですから、
この合意は、米露中国と言えども、この爆弾を使用する上で足枷になるでしょう。

おっと、この記事を書いている時点では、福田首相はまだ迷っているようで、
交渉参加国の中では唯一日本だけが、まだ合意への態度を保留しています。
誰でもが推測する通り、戦争大国アメリカへの遠慮があると思われますが、
この爆弾はあまりにも一般市民への被害も多く、拒否する理由がありません。
自衛隊はこの爆弾を所有しているようですが、いったいどんな場面で使うのか?
海外で戦闘活動をしないと決められている自衛隊は、国内で使うのか?

この爆弾は、使用後の不発弾被害が大きいことが一番の問題とされている。
そんな爆弾を、国内で使用するほど愚かなことはないし、海外でも使えないのに、
日本だけが、最新型のものは不発が少ないから禁止の例外にしよう!だなんて、
そうまでして全面禁止を拒む理由がどこにあるのか、馬鹿げています。
そんなものを購入して備蓄しておくくらいなら、災害援助物資でも増やせばいい。
無用なものばかり高額で買い揃える自衛隊なら、自衛隊そのものが不要です。

中国への災害援助に、少しでも多くのテントを!と求められた自衛隊幹部が、
物理的には1万張りくらいなら出せる、と言っていたのに、次第に数が減って、
無償で出せるのは多くても数百だ、と訂正して言い始めているのは何故か?
寄らしめず、知らしめずがモットーの彼らは、正確な理由も公表しない。
それでも今は、アフリカ開発会議で大勢の首脳が集まってきている時期であり、
彼らの全員が賛成合意している、全面禁止条約に反対する理由はないでしょう。

そのアフリカで、日本の憲法9条にあやかって、武力による問題解決をしない!
と決めた国があると報道ステーションで知って、とても嬉しく、誇りにさえ思う。
つい先頃、9条世界会議にも、世界中から大勢の人が集まって会場に人が溢れ、
あらためて日本国憲法の先進性を示したのですが、その時の基本コンセプト、
「世界は9条をえらび始めた」の実践が、すでに始まっていたと言うことです。
日本は世界の中で、平和を呼びかけるリーダーになれる国なのです。