沖縄先島航路の廃止

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たしか2年前に、琉球海運の旅客扱いが無くなったのに続いて、
唯一残っていた有村ラインも、今年6月に終了すると決まったようです。
これで長いあいだ楽しみにしていた沖縄の船旅は、終わりになります。
飛行機のスピードと違って、那覇から石垣まで一晩掛けての航路は、
ちょうど夜明けに石垣島が見えてきて、朝の時間帯に石垣港に入港する。
船のデッキから石垣の港や町並を眺める、この到着感が好きでしたが、
また一つ、叶わぬ楽しみが増えてしまいました。

東京を引き払ってからも、毎年夏の沖縄行きは欠かしていませんが、
バーゲンチケットを利用したり、誕生日割引を利用したりして、
少しでも安いチケットを探しながら、なんとか今年も手配しています。
そのバーゲンも、今年の夏は無くなったようで、設定がありません。
なんとか早割で那覇まで行って、那覇から石垣往復は船にしよう、
そう思って電話をしたら、もう今年の夏は運行しないと言われました。
今年のオイルの高騰は、ついに先島航路をなくしてしまったのです。
オイル値段は今後も上がり続けるから、仕方ないのでしょうか。

現在高としては、オイルが不足しているわけではなく、
利子やヘッジファンドなどで、増え続けるマネーがだぶついて、
穀物やオイルの高騰を招いていることは、もう誰でも知っています。
そうでなくても、いずれはピークオイルによって物価は高騰する、
その先取りをするのが、金融利子や配当による膨大なマネーです。
世界の実勢物量に見合わない、大量のマネーが先物買いに走るので、
利益の薄い庶民の足が、真っ先に廃止になっていくのを止められない。
人々はますます貧富の差を恐れ、おカネを稼ぐことに夢中になる。

だけど悲しいかな、おカネはいくら稼いでも金融に吸い取られる。
社会福祉のためを思って納税しても、ミサイルと道路に流れるように、
今の時代、いくらおカネを稼いでも金融マネーに価値を奪われるのです。
人は少しでも大金を手にして、勝ち組になって安心したいと考える。
だけど何故おカネを稼ぐのか考えて、本当に必要なもののことを思えば、
多くの現代人は、何か巧妙な罠にはめられていることに気付くのです。
生活の基本である衣食住を、なるべく自分の手で作るようにすれば、
見知らぬ場所の事情で、生活を苦しめられなくて済むとわかるのです。

そんなことを言ったって、生活に必要な衣食住を賄うのは難しい。
確かにそうだけど、生活とは何か? 生きるとは何かと考えたときに、
ただおカネを稼いで、それを使うだけの貧しい暮らしはしたくない。
人間としての五感や五体を存分に活かして、命を味わって暮らしたい。
そう考えれば、生活を少しでも自分たちで賄う生き方が大切なのです。
今の暮らしは、あまりにもおカネ経済中心になりすぎているから、
おカネがないと何も出来ないと、思い込まされているのです。

多くの先人が頑張ったはずなのに、寂しい社会になったものです。