シシ鍋に八重桜

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高岡市の男女平等推進活動で知り合った向さん宅で、
珍しい牡丹鍋や鹿刺しを食べさせてあげるから、
自然農の話をしに来ないかと誘われて行ってきました。
自宅を開放して、人と人の繋がりを作る活動をされている、
「ひと・もの・こと と出会える、スペース“よへさ”」
そのお宅の前に、大きな八重桜の古木があって、
毎年この季節には、お花見を兼ねた催しをされているのです。

八重桜はちょうど見頃に花盛りで、樹が大きいから、
その下に立つと、まるで藤棚の中にいるような花の量です。
おじゃました時間には、津軽三味線の生演奏をやっていて、
しばらくは、バチの音色の向こうに、しだれる桜の景色です。
30人ほどの人たちが、楽しく花見の演奏を聴いていて、
あれ?、こんなに大勢の人に自然農の話をするのかな?
と心配しましたが、20人は演奏が終わると帰られました。

あとに残った10人が、テーブルを囲んで円座になって、
僕の方から、有機農法と自然農がどう違うのかを話しました。
と言っても、教科書や辞書に載っているような説明ではなく、
自分が辿り着いた「生き方としての自然農」とは何かを、
体験談としてお話ししただけですが、少しは伝わったか、
話のあとで、いろいろ会話も繋がったように思います。
これで講座の参加者が、一人でも増えるといいのですが。

さてお楽しみは、鉄砲撃ちの妻マキコさんによる、
ヤマドリ御飯、牡丹鍋、鹿刺し、熊と牛蒡の炊き合わせ!
と豪華絢爛、現代ではめったに味わえない山の幸の試食会です。
ヤマドリは雉に似た鳥だけど、雉よりも美味しいとか、
牡丹鍋はイノシシで、むかし沖縄の西表島で食べたことがある。
鹿の肉はタレ焼きを食べたことはあるけど、刺身は初めて。
そんなことを考える内、外は暗くなって、照明が灯されました。

時間が近づいて、ぞろぞろと人が増えて、20人が参加。
照明に浮かぶ桜のしだれもきれいなら、良い匂いも漂ってくる。
せっかくの珍しい料理は、写真に撮っておきたかったのに、
順番に出てくる品を、取り皿に分けながら回しているうちに、
写真を撮ることなど忘れて、舌鼓を打ち始めていました。
今日は車なので、お酒を飲めないのが残念ですが、
初めてテンの毛皮や剥製も見せてもらって、話も弾みました。

3時頃におじゃまして、気が付いたら9時を過ぎていました。
おいとまを告げて外に出ると、満月に少し届かない月が、
八重桜のたわわな花の向こうに、おぼろに浮かんで見えました。
家が近ければ、一杯やりながら歩いて帰りたいよな景色です。
帰りは道路も空いていて、軽快に車を飛ばして帰宅です。
せっかく豊かな自然の味わいある国に暮らしているのだから、
こうした季節を味わう催しは、大切にしたいものです。