「ショーシャンクの空に」

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以前から見たいと思いながら、見ていなかった作品の一つ。
TUTAYAで探し出して、借りて見た「ショーシャンクの空」は、
評判通りに興味深くて、最後まで飽きることなく楽しめました。

物語のほとんどが刑務所の中の話で、決して明るくはない。
むしろ考えられる限りの悲惨な状況が、次々と周囲に起きて、
妻と恋人殺しで終身刑となった、主人公アンディーに降りかかる。
普通なら自暴自棄になりそうな悲惨な状況の中で、彼は耐え続け、
様々な知恵を絞って、自らの生きる道を切り開いていく。

原作者は「スタンド・バイ・ミー」と同じスティーブン・キングで、
男同士の孤独と友情を、独特なタッチで心地よく描いています。
抜きん出て頭が良くて、優れた能力も誠実さも持っていながら、
どこか孤独で、自分をうまく表現して上手に立ち回ることが出来ない。
不器用な故に強かな精神力で生き抜く、男の姿が描かれています。

彼は自分を信じて誠実に生きることで、やがて周囲に受け入れられ、
またそれ故に、様々なトラブルに巻き込まれながら年月を過ごします。
そして19年間、彼は一番親しくなったレッドにも気付かれないまま、
たった一人で、決して自由への希望を捨てずに真剣に暮らしている。

この映画を途中まで見ている限りでは、実はなんだかよくわからない。
主人公は何を考えて、何をしようとしてるのかよくわからないのですが、
それでいて、いくつものエピソードで見せる彼の態度には共感できる。
なぜなら、彼はどんな状況でも挫けずに自分を生きてるからなんですね!

終身刑で服役してから19年間には、彼の周囲にいた人が何人も死ぬ。
ある人は看守に殺され、ある人は釈放されたにもかかわらず町で自殺する。
人はいずれ死ぬものだとしても、精一杯に絶望して自殺する者もあれば、
どんな状況でも決して希望を失わずに、知恵を絞って生き抜いて、
最後には彼のように、自らの望みを手に入れる生き方もあるのだと!

見終わってみると、この映画は苦難を生きる人生に対する応援歌なのか、
たとえどのような状況下にあろうと、希望を失わずに生きることによって、
人はいつか自分の夢を叶えることが出来る!と教えているのでしょうか?
いやそんなに単純ではない、ここで僕が感じ取ったことは、どの時点でも、
それはもう絶望としか思えない状況でも、自分を生きるしかないってこと。

この物語は、たとえどこで終わっても、アンディーは同じように生きていて、
自分のあるべき姿を生き続けているところに、大きな共感があるのでしょう。
最後にはうまく脱走できたことも、生き方への共感があるから喜べるのです。
この映画が伝えるのは、人が自らに誠実に生きることの意味なのです。

「 Hope is a good thing, maybe the best of things.
           And no good thing ever dies. 」アンディー


この映画には、全台詞を収録した、こんな本も出ているようです。
ショーシャンクの空に (映画で覚える英会話アルク・シネマ・シナリオシリーズ)
www.amazon.co.jp/gp/product/4872349261?ie=UTF8&tag=isobehon-22


本日の写真は、フウライチョウチョウウオです。