「小さな愛の物語」

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「スンホとリナ」って副題が付いている通り、
韓国人のスンホさんと、日本人の利奈さんが、
知り合って付き合い出した、たぶん実際のお話です。
それをマンガとエッセイで書いてあるのが新鮮でした。

これもきっと、どっちが韓国人だか日本人かもわからない、
「見た目にはわかりませんが、僕たちは国際カップル」
と言う二人は、お互いにまったく違う価値観で暮らしている。
いやいや、そう思い込んでいたり、実際に違っていたり、
読んでいるうちに思うのですが、この価値観の違いって、
かならずしも国が違わなくたってあるでしょう!

そう思って読み進んでいくと、ちょっと違った読み方で、
同じ日本人同士だって、いろんな価値観があって当然だし、
まして世界中で違う文化の人たちと付き合っていくってことは、
自分に都合のいいことも悪いことも、みんな受け入れる、
そうした覚悟がないと、失礼だろうってことですね!

利奈は日本人なのに、カップルのスンホが韓国人だから、
二人とも韓国人だと勘違いされて、親切にされたりすると、
普通に日本人として暮らしている時にはわからない、
日本人の外人に対する親切さを味わって感激したりする。
なるほどなあ!と思うことがいろいろと書いてあって面白い。

街で出会うキャッチのこと、人の褒め方、気の使い方、
さらには「ありがとう」や「ごめんなさい」などの言葉さえ、
人によってこれだけ受け止めからが違うことを知るだけで、
日本人同士だって、勝手にわかったつもりになってはいけない!
と普段の自分に、自戒の念を抱いていました。

でもね、たった二週間の帰国に、空港で涙して別れたり、
ぼんやりしている相手が何を考えているか心配になったり、
それはやっぱり、文化や価値観の違いじゃなくて、
愛し合っている男と女の、不安な心の現れなんだから、
これはもう文化以前の人間的な感情のゆらぎなんでしょうね。

なんて深読みするのもどうかと思うくらい、ほのぼのとして、
半分がイラストやマンガで読みやすい所為もあって、
一晩で一気に読んでしまえる、ちょっと可愛い本でした。


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