「幸福のスイッチ」

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ちょうど1年前に、ロードショウ公開されていたものですが、
金沢で予告編を見ただけで、その後見る機会がなかった映画です。
それをTUTAYAの100円サービスディに見つけたので借りて観ました。

田舎町にある小さな電気店の、三人姉妹と仕事一途なお父さんの話。
次女のレイは、お金にならない仕事を嫌ってイラストレーターを目指し、
デザイン会社で仕事をしているけど、上司と喧嘩して会社を辞めてしまう。
そこへ父親が怪我で入院したことで、田舎へ帰って電気店を手伝うのだけど、
何もかもが不満だらけで、まわりの人たちまでイヤなムードにしてしまう。

これじゃいけないと思っても、どうしていいか分からないレイに対して、
姉と妹は、もともと仲は良いのだけど、シビアに気持ちをぶつけ合う。
そしてかつて同級生だった派遣の手伝いや、地元の人が絡んでくる。

特に驚くような展開は何もなくて、どこにでもありそうな家族の話だけど、
姉や妹や父親の、あるいはまちの人たちの魅力的なキャラクターに囲まれて、
レイが少しずつ自分の心を開いていけるようになるのを、見ている僕らは、
思わず心配しながら、なんとか仲良くやって欲しいと願って見てしまう。
イヤ~な性格のレイに対して、いつのまにか気持ちが寄り添っているのです。

何も劇的な展開もないままに、だけどしっかり個性が浮き立つ内容で、
レイがどうなるか心配しながら、最後まで一気に見終わってしまいました。
この不思議な作品の味わいは、きっと安田真奈監督の味なのでしょうね。

見終わって、なるほど確かに、幸福のスイッチを見た気がしました。
人間っていいなあ!と思わせる、安心してみていられる心配な映画でした。


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