選択肢を作ろう!

今回の地方選挙で、大きく話題になったものが三つありました。
財政破綻した夕張市市長選挙と、射殺事件が起きた長崎市市長選挙
そしてもう一つが、核廃棄物で揺れた高知県東洋町の町長選挙です。
結果は納得のいくもので、選択肢さえあればよい選択が行われる健全さを見ました。

まず夕張市では、全国から7人の候補が集まっての選挙戦で当選したのは、
大企業誘致や大金を投じての活性化を訴えた候補ではなく、地元出身者藤倉肇さんで、
「依存型から自立型にするため、意識改革が大事。」と抱負を述べられた。
長崎市では、依然として伊藤一長市長が殺害された理由も不明なまま、
選挙では世襲候補を批判して立候補した田上さんが、政治の継承を唱えて当選した。
そして東洋町では、、圧倒的な大差で、核施設に反対した候補が当選している。

こうした情勢を見ていると、住民の選択は決して間違っているわけではない。
選択すべき要素がはっきりしていれば、正しい選択をするように見える。
いつも疑問に思う、投票率が上がればいいというものではないのだと思うのです。
自立心が弱く、他者批判が好きで自分は長いものに巻かれて依存心が強い、
こんな風土に育った人たちがもっとも苦手なのが、新しいものを作ることで、
選ぶべき選択肢も提示できない選挙が続いて、投票率は落ちていく。

それでも新しい意識の流れは確実に起きており、保守王国富山県南砺市でも、
同じ保守ばかりの選挙だったとは言っても、自民党の公認候補の方が破れている。
破れた候補は、自治会やらJAやらのあらゆる会合で挨拶して回る有力者だったのに、
「一部の権力に属することなく」と訴えた武田慎一さんがトップ当選されて、
彼は当選後の議会活動でも、最大会派の自民党には所属しないと発言されている。
この保守王国でさえ、新しい選択肢を必要とする土台が出来つつあるのです。

自立した市民が、地域に根ざして自立した自治を目指す地方自治は、
憲法にも書かれているにもかかわらず、多くの市民はいまだに中央依存で、
市民が納得するような選択肢を提示できないまま、地方政治が行われています。
こうしたことは口先ではなく、生活の中に根ざすべき自立の欠如でもある。
だからこそ僕は、この自立心を育てるためにこそ、市民活動を広げたいのです。