「平和に暮らす、戦争しない経済学」

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図書館へ行ったついでに、なにげなく新刊本コーナーを見ていたら、
この本が目に止まって、パラパラっとページをめくってみました。
そうしたら、「第5章・日本はいつから戦争好きになったのですか?」
って章があって、読み始めたら、普段から思っていたことが書いてある。
あれあれっと思って、「政府が推奨する、国民の効率的な利用法」
「日本はなぜ急に右傾化したのか」「ODA予算の削減は国際公約違反」
「防衛費のほとんどは、防衛以外で使われている」と終わりまで読みました。

これはよく調べて書いてあるなあ、と思って執筆者を見たら、森本卓郎さん。
時間があったので、テーブルのある読書コーナーまで持っていって、
「第3章・アメリカはなぜ戦争が好きなのですか?」から読み始めました。
「日本が米国債を33兆円も買った理由」「不況なのに外資ばかりがボロ儲けの仕組み」
その他普段から疑問に思っていたことが、次々にすっぱ抜かれて書いてあります。
なにしろ森本さんは、政府の経済顧問のような人だったわけですから、よく知っている。
その内容から、小泉政権からの政府がいかに大嘘つきで無能だったかがよくわかる。

そのまま勢いづいて、「第5章・世界は本当に戦争が好きなのですか?」まで読み、
図書館の閉館時間が迫ったので、結局は借りてきて、残りの部分も読みました。
「第1章・平和と経済の関係はどうなってますか?」の内容は明快そのもので、
「みんなが幸せになれないこの国のしくみ」「金持ちばかりが儲かるカラクリ」
「第2章・戦争と経済の関係はどうなってますか?」では日本の政治事情が書いてある。
「戦争って、本当は儲かるの?」「在日米軍の存在理由、実はあやふや」
これを読んでいると、膨大なマスコミの情報は何だったのかとあきれてしまう。

今の政府がいかにひどい政治をしているかはわかるのだけど、どうしてこんな、
ひどい政治が始まってしまったのかは、必ずしもわかっていませんでした。
それがこの本を読むと、まるで簡単な料理の解説書のようによくわかるのです。
どうも僕らは、膨大などうでもいい情報に騙されて、政府に踊らされていたのでしょう。
そしてなぜこんなひどい政治が蔓延ってしまったかと言えば、残念ながら、
選挙で国民がそうした政治家を選んでしまったからと言うしかないのです。
このままでは、あと数年もすれば、引き返せないひどい時代に突入するでしょう。

ボクは若い頃にひとりで10年ほど旅をして、美しい珊瑚礁の海に魅せられて、
この喜びをこれから生まれてくる人たちとも分かちあいたいと思うようになり、
そこから環境破壊を止めたくて市民活動に参加するようになりました。
そして今では、最悪の環境破壊とも言える戦争にならない道の選択を求めて、
地域の自立を掲げながら、個人的には自然農による食の自立を目指しています。
いつのまにか「平和映画祭実行委員会」「女性と政治キャンペーン実行委員会」
そのほかいくつもの市民活動に参加して、何かお手伝いしたいと思っています。

おカネではない価値による、人間性を重視した豊かさや平和を夢見て、
なんとかおカネの呪縛から逃れて暮らしたい、と思っているわけですが、
そのために、今の自分たちがどんな状態にあるのかを、正しく知っておく必要がある。
そしてこの本は、「経済学的に平和を守る56の方法」と副題が付いている通り、
実にわかりやすく、いや、あまりにも明快に、ひどい現状をあからさまにするのです。
日本政府が国民を騙して自国の利益よりもアメリカの忠犬になっているのはなぜなのか?
もう彼らは、国民を利益を生みだす材料としか思っていないようなのです。

この本は、特に読むのが早い人でなくても、半日(4時間)あれば読めるでしょう。
ぜひとも多くの人にこの国の騙しの現状を知っていただいた上で、これから先、
個々人が、自分で少しでも暮らしやすい政治を創っていく工夫を始められるよう、
この本を読んでみられることをお勧めせずにはいられません。
本の情報はこちら(↓)から、ご覧になってください。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4757213166?ie=UTF8&tag=isobehon-22