高校生の演劇発表会

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高岡地区高等学校「演劇発表大会」を見てきました。
昨日他の用事でウイングウイングへ行ったときに、
たまたまエレベーターで降りる階を間違えたら、
左手に受付と、正面に大きなプログラムがあって、
呉西地区6つの高等学校が発表会をやっていると知り、
なんか急に、どんな様子なのか見てみたくなったのです。

僕が見たのはこのうち下記の4本で、
○卒業の季節に究極のラブレター作りをする「 Letters 」(高岡西高校)
○家族や従姉との絆を描いた「コチラ、橘家ヨリ調査報告」(高岡南高校)
○純粋な気持ちで戦時下を生きる若者を描いた「 Pure 」(高岡高校
○入院中の少女が心を入れ替えていく「霜天に星が瞬く」(伏木高校)
それぞれ自分たちのテーマを演じているのが伝わって来ました。

そのなかで、僕が一番心に残ったのは「 Pure 」でしたね。
高校生の年代で戦場を舞台に自分たちで物語を製作する。
これは実体験があるわけではないのだから、難しい作業です。
へたをすれば、劇画や映画から引っ張った亜流になってしまう。
それを、戦争から逃げてきた同年代のキャスト設定によって、
うまく現代世相への自分たちのメッセージとなっている。

プログラムのあらすじによると、それぞれの立場によって違う人たちを、
「そのどれもが正しくて、そのどれもが純粋な気持ちです。」と認め、
戦争がいいか悪いかなど誰にもわからないけど、当事者はそれぞれまじめで、
大切な人を守りたいと一途に思っている人が戦争をする悲しさを描いている。
そうした戦争に荷担したくない、被害者にも加害者にもなりたくない、
そう思っている登場人物は、やはり誰かを守ることで生きようとする。

大人たちは、高校生によるこの演劇を見てどう思うのだろうか?
ここに描かれているのは、現代社会の姿そのままと言えるだろう。
6人の登場人物は、2人が兵士として闘っており、
両親を空爆で失った兄妹は、お互いを必要としながら逃げていく。
そして両親を目の前で銃殺されたことによって正気をなくした少女を、
その銃殺した兵士を親に持つ若者は、逃げずに守って死んでいこうとする。

この高岡の地でも、高校生は戦争の足音を聞いているのかもしれない。
それは単なるテレビや新聞のマスコミによるニュースとしてではなく、
自らの心の有り様として、自分ならどうするかを考え始めている。
この「 Pure 」はそうして捉えられた一つの世界なのだろうと受けとれた。
僕にはそうした事実が悲しくもあったけど、彼らの3つの選択肢の中で、
兵士となって敵を殺そうとする態度に共感がなかったことが嬉しい。

最後には判断の違いがありながら、ナオヤとジュンは二人とも、
それぞれ守るべき人を連れて戦争から逃れようとする姿に共感できた。
愛する人を守るためには、自らの命もいとわないのは当然のこと、
ここには「愛する人のためなら他の人を殺していい」とする、
軍隊が必然的に持っている悪を受け入れていないところが Pureでいい。
こうした若い世代とも、僕らはもっと絆を深めるべきだと思った。